ジャケット

峠道、分水嶺を越えて
あなたはあの街を去ろう
列車のストーヴは暖かくて身体ごと溶け出す
月の小ささに不意に遠くへ来たんだと思う
最終列車の尾灯が沈む

窓辺に揺らいだ反射光と
あなたは微睡む
未だ小さな教え子のように
ただ夢を見ている
ほんの小さな夢を見ている

高架橋、飛行機雲を眺めて
あなたは宵街を歩く
暮れる陽を来れる日も数えている
空の遠さに不意に茫然と立ち尽くす
都会の夜景に星は見えなくて

俯いて抱きしめて手放してこころを捩って
春過ぎて、濡らして
滲んで信号がぼけて夏が暮る
鳥が亡く何故か空に目が泳ぐ

ある日、星の破片が落ちてくる
その一辺が欠けている
そんなこともあろうと思う
衝動的にポケットに仕舞う
ああ、いつかの失くし物なんだろうかとおもう
そして最終列車を待つ

窓辺に揺らいだ白い花と
あなたは微睡む
誰に教わったんだろうなんて
ただ描いている
何かを描く夢を見ている
欠伸をする頬を霞む

峠道、分水嶺を越えて
あなたはあの街へ帰ろう
盆地の夜は肌寒くて体温を思い出す
空の近さに不意にあなたの目が合う
ぽたり、露が落ちる
引き換えに星は重力を抜け出している

00:00 / 03:37

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • 作者の氏名を表示して下さい

群雨と時鳥 / 初音ミク mtrika

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投稿日:2024/01/20 18:13:36

長さ:03:37

ファイルサイズ:4.1MB

カテゴリ:ボカロ楽曲

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