――君は僕の実験台に横になってしまっているんだ



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僕は医師になる為に、医師の世界で有名な高校に入学した。

「おぉ、すごいな。筋がいいぞ。」

教師に褒められた。
僕はもっと褒めてほしくて、たくさん努力した。
だけど…、

「すごいな。お前が一番上手いかもしれないな。」

「そんなことないですよ。……でもありがとうございます。」

君には届かないんだ。
溢れた君の才能…いいなぁ。
わけてほしいなぁ…。
そう思って、目についたのは……メス。



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メスを入れる。
今まで体験したことないような、不思議な感触。
気持ち良い感触。
どれも快感。
無言でメスを動かす。
あっという間に時間が流れる。



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夢中でメスを動かす。
君が僕の手を払い除けた。

「っ!!」

手の痛みで少し冷静になった。
なんだって、なんだって、こんなコトしちゃったんだろう。
君を見る。
君は僕の目の前で動かなくなってしまった。



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震える君が口を動かす。
なにを言ってるの?
でも聞かずにメスを入れた。

不明な感覚。
不能な感覚。
こんなコト知らない、シラナイ。
でも知ってしまいたいよ。


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なんだって、なんだって、こんなモノ見ちゃったんだろう。
僕はどうしていいかわからなかった。
胸が苦しい。
いま目の前で動けなくなってしまったんだ。



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それを頂戴な。
これも頂戴な。
君になろうとして集めた、とても継接なコレクション。
たくさん、たくさんある。
それでも、どうしても君になれない予感。



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なんだって、なんだって、こんなコトしちゃったんだろう。
君の身体がどんどん冷たくなっていく。
君がいま目の前で動かなくなってしまったんだ。



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僕の目から涙が溢れる。
泣いたって、泣いたって、垂れ流す、隅っこの時間。
ふらふらしながら、実験台の上にあがる。
そして横になる。


だって僕は君の――

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

サイノウサンプラー

今回は「サイノウサンプラー」の自己解釈です。

よくわからなくなっちゃたかも…。

電ポルP様、すみませんでした。

閲覧数:223

投稿日:2011/05/15 22:38:45

文字数:931文字

カテゴリ:小説

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  • 禀菟

    禀菟

    ご意見・ご感想

    大切な人を失ってからでは遅いということだね。
    いい話だ…!!
    連載話進まないので少し休憩しよっかな。

    2011/05/16 07:09:23

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