「あ…」

「いてて…酷いなぁ…」

何も酷くはない。

自業自得だ。

「カイト兄!?」

…カイト兄?

ってことは俺のお兄さん!?

というか男いたんだな、あの家に。

「で、こちらの女の子が新しい家族のレンちゃん?あれ、おかしいな、男だって聞いてたのに…」

「か、カイト兄、レンはおとk」

「………死ね。」

その言葉と同時に俺は腹に足をめり込ませた。

「ぐふっ」

これが初めてじゃないのが嫌だ。

前も女の子と間違われて口説かれた。

その前は車に連れ込まれたことだってある。

「……すいませんでした…」

「ふんっ」

まだ気は済まないけど歩けなくなったら面倒なのでここら辺で止めとく。

「ねぇリン、俺何した…?」

「カイト兄、レンは男だよ。」

「え…ええ!?こんな可愛いのに!?」

可愛いとか言うな!!

それからカイトは俺に謝り続けていた。



















「あら、連絡なしに帰ってくるなんてどうしたの?」

カイトはニコニコ顔で答えた。

「アメリカはちょっと飽きちゃって。」

「そんな理由で帰ってくるとかどれだけバカなのかしら。だからバカイトって言われるんだわ。」

「バカイト言わないでよ。俺、この家の大黒柱なんだよ?」

「レンを女だと思って襲ってきたヤツが?」

「……カイト…あんた家族に何てことするの…?」

「いや、ホントに可愛かったんだよ!!あと俺も家族!!」

可愛い言うな!!

「カイトの部屋はどうしましょうね。」

「俺レン君と一緒でいいよ。」

「ダメよ、信用ならないわ。」

同感。

「…じゃあリビングで寝ます…」























「ところでルカ。」

「何かしら。」

「────────って、どういうこと?」

「………何故知ってるの?まさか、そのために日本に?」

「そうだよ。」

「………はぁ……」

「まさか、みんなに知らせてないんじゃ…」

「……………ミク以外はね…」

「…はぁ…何で1人で決めるの。」

「仕方ないじゃない。」

「仕方なくないよ。」

はぁ、と溜め息を吐き、ルカは話し始めた。

そんな話をしてることなどつゆ知らず、俺は目が覚めた。

「ふぁぁ……」

時計を見ると夜中の2時。

麦茶でも飲もうかとキッチンに向かう途中、話し声が聞こえた。

「仕方なくても言うべきところだよ!」

どうやらカイトとルカのようだ。

こんな時間に家族会議か?

「言えないわよ、無理だなんて。相手も相手よ?」

次の瞬間、耳を疑うような言葉がカイトの口から出た。

「だけど…、いいの?この家から────────リンが消えても。」

──────え?





続く。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

姫君のお城と借金少年(6)-兄貴-

おひさ☆←

展開早い?
気にすんなっ☆

うざい?
承知の上さ☆

もう分からないよ←

閲覧数:201

投稿日:2011/10/22 23:13:03

文字数:1,163文字

カテゴリ:小説

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  • 檸檬飴

    檸檬飴

    ご意見・ご感想

    ひさしぶりの連載だね。

    兄さん…色々と残念だww

    リンちゃんが消える!?
    いったいどういうこと!?
    次の展開が気になる!

    2011/10/22 23:49:08

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