元々非常識なゲームだと思ってはいたが、戦って奪い合うだと?全く何を考えているんだ、冗談じゃない。これではプレートを大量に持っている浬音さんが格好の的にされてしまう!毎度毎度まとわり付いてる三月ウサギはこんな時に限って姿が見えないし…。

「ハレルヤさん!痛…待って下さい!痛いです!」
「失礼…。」
「そんなに引っ張らなくても…。」
「さっきの放送を聞いたでしょう?一人でウロウロしていては危険です。」
「私ちょっとルールが気になってるんですよ。」
「と言いますと?」
「これって、自分のプレート取られた人が『脱落』なんですよね?」
「その様ですね。」
「じゃあ『Treasure』の指名でプレートを貰った側は?共倒れなんでしょうか?」
「ん?…ちょっと待って下さい、紙に書きますので。」

頭を整理しがてら持っていた手帳にメモを取って行く事にした。今の状況として考えられるのは次のパターン。

①誰かにプレートを預けて自分は持っていない
②プレートを誰かと交換している
③交換している以外にも更にプレートを持っている

①の場合は預けている者が倒されれば脱落、②の場合は『脱落』によって交換相手の動きが封じられるので共倒れ、③の場合は…。

「③のパターンだけはプレートを奪われたとしても無事な可能性がありますよね?」
「しかし③の様な状況下の方は居るんでしょうか?」
「少なくとも私はそうですね。」
「…あの、浬…花壇さん、一体誰のプレート貰ってるんですか?」
「えっと【March Hare】【Mad Hatter】、ハレルヤさんと、ハートのジャックさんの
 4枚です。」
「…二人は解りますがジャックさんは何故?」
「『戦いたい人が居るから預かってくれ』って強引に渡されて…。」

ルールを知らないとは言え迂闊な…。いや、この場合強かと言うべきだろうか?まぁ、いざと言う時は私を含めジャックのプレートも蜥蜴の尾の如く切り捨てれば良い事だ。

「貴女のプレートは誰が?」
「えっ…あ…鳴兎が…三月ウサギが持ってます…。」
「チッ…!」
「ハレルヤさん、今『チッ!』って…。」
「幻聴です。」

確か三月ウサギは脚が速かった記憶がある。となるとやはりプレートが集中している浬音さんを狙った方が効率が良いと考えるのが妥当か。困った…戦った事等無いしそもそも暴力は好きじゃない。逃げるにしても浬音さんが走り続ける羽目になれば体力勝負ですぐに捕まってしまうだろう、ならば…。

「三月ウサギも帽子屋も居ないのであればジャックさんを探しましょう。このまま
 血の気の多い人達に見付かれば私達は不利ですから。」
「血の気って…。」
「花壇ちゃんとハレルヤさん見ー付っけたー!」
「――っ?!」
「…誰でしたっけ?」
「ガクッ!…バタフライよ!もぉ!」
「あ!お前等!」
「大声が良い目印になるわね。」
「おぉ?!クラムさんにリトルフラワーだぁ!やっぽー♪」

最悪だ!!

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

DollsGame-116.林檎-

クラム&リトルフラワー
     VS
スナイパー&バタフライ
     VS
ハレルヤ&花壇

何この死亡フラグ

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投稿日:2010/09/13 16:03:22

文字数:1,233文字

カテゴリ:小説

ブクマつながり

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