「どうもはじめまして旅人さん」
突然聞こえてきた声
振り向くとそこには白い 翼を持つ少女がいた

星が降り満月が輝き 草は風になびき カサカサと
静かな風すら感じる そんな世界に立っていた

「なぜ僕はここにいるの」
その答えに返事はなく
彼女は近づき 囁く
「アナタもワルツを踊りましょう」

さあ 手を取り歌おう ラルラリラ
この夢が覚めてしまう前に
さあ ステップを踏んで ラルラリラ
この湖畔(ステージ)の上で踊ろう
さあ 波紋を揺らして ラルラリラ
微かな音さえ歌にして
さあ 水を鳴らして ラルラリラ
此処にいる意味も忘れて

「君はどうしてここにいるの？」
旅人はそう問い掛ける
少女はうつむき微笑む
その瞳の中には 旅人(かれ)の顔

「私はただの渡り鳥。夢の中で歌を歌うもの」
「私の歌を聞いたものは　皆、灰のように消えていった」

その夢を見たものは皆
死んでしまう話があった…
きっとこのままだと自分も
怯えながら今宵も踊る

さあ 共に踊りあかそう ラルラリラ
月のスポットライトを浴び
タイミングを合わせて ラルラリラ
この歌の終わりまで踊る
眠れぬほど踊ろう ラルラリラ
星が光り輝く前に
さあリズムを奏でて ラルラリラ
この記憶 心に刻む…

さあ 最期の時まで ラルラリラ
巡り合えた歌 忘れぬように
コノ夢想曲(すべて)が終わるまで ラルラリラ
朽ち行く前に 共に歌おう
余裕すらなくなるまで ラルラリラ
共に帰らぬ　旅をしよう
さあこの夢の中で眠りなさい
この冥界(ハコブネ)の中で