第五話 ―見た目は将校―


いろんな人の情報をたよりにたどり着いた場所。

「吉原?」
「ここは違うわ。政府に正式に認められていない遊郭よ」
「本当にここなんでしょうか…」
「そうなんだと思う。変なことされる前に連れ戻しにいかないと!」

街に足を踏み入れる。

色っぽい綺麗な着物を重ね着した女の人が新造を連れて、あるいは男性と一緒にたくさん歩いている。
この中にいるはずだ。

「そこのお嬢さん」
「ふぇ?」
「怖がらないでいいんですよ…?」

ハルさんの腰に手をまわす。

これ、いわゆるナンパだよね。

「あ、あの…」
「ささ、そこの素敵な喫茶店でお茶でm『ゴンッッ!!』

煙草が命中して青い軍服の男性がよろける。
煙草の威力すさまじいな。

「ハルさんに手出しすんじゃないよ!」

ミク姉がよろけた男性の顔を蹴り上げる。
男性は倒れた。

「全く、何やってんだい?海斗(カイト)」

煙草を拾いあげた女性は、赤い椿の髪飾りをした椿模様の白い着物の女性だった。

「やあ、めーちゃん今日も綺麗だね」
「めーちゃんと呼ぶのはおやめ。仕事中なんだから」

全く…、とあきれた様子で男性を見ている。
女性はこちらに向き直った。

「大丈夫だったかい?この変態ナンパ野郎、あとでちゃんと叱っておくから」
「はい。大丈夫です。ありがとうございました」
「あ、そうそう。あの、この子によく似たセーラー服の女の子を見かけませんでしたか?」
「それならさっき会ったばっかりだよ。新入りの子だったみたいだけどね」
「どっちに行ったか分かりますか!?」
「あぁ。ついておいで」

女性の後について行く。
てか、何でカイトさんまでいるんだ。

レンたちは、建物の裏にいた。
逃げ出そうとして失敗したらしい。

「リンちゃん!」
「…ミ…ミク姉……」

いたるところがあざだらけだ。
男性2人に殴られたらしい。

「君たち、何をしているんだ!!」
「あんたたち、やっぱりそういうことだったのかい!?」
「違いますよ、零子さん。僕らは殴られていたのを助けようと…」
「嘘おっしゃい!!さあ、その子を返しな!!」
「…チッ。逃げるか…」

男性2人はレンを残し、逃げていった。

あたしは大丈夫?と声をかけるより先に走り出し、レンに抱きついていた。

「レン…。ゴメンね?怒ってる…?」
「そんな…、こと…、ないよ……。それより…、ばれちゃったね……」
「そんなこと、どうだっていいよ!レンが、レンが無事だったら……」

「え!?どういうこと!?入れ替わってたってこと?」
「そうみたいですね…」
「流石双子。気づかなかった」
(良かった…。ついに俺、目覚めちまったのかと思った…)
「何より、この子が無事でよかったよ。最近こういうの多いからねぇ…」

「じゃ、着替えて来るかい?」
「すみません…。お借りします」

リンは、セーラーがボロボロになってしまったので、レンのセーラーをリンにまわし、スカートはそこまでボロボロではなかったのでそのまま着た。
レンは、零子から学生服と着物を混ぜたような服をもらった。
ちなみに下はショートパンツだ。

「いろいろお世話になりました…。こんな手当までしていただいて」
「いいんだよ。また会うことはないだろうしね」
「ところで、めー…いや、れいちゃん、そろそろ故郷へ帰るって言ってたけど本当なのか?」
「そうだよ。いつまでもここにいるのはね…。わっちも25になったわけだから、もう自由になるんだ。
 今からいろいろ手続きしてこようかね」
「そうしたらいい。僕が送っていくよ」
「じゃ、手続きの間ちょっと待ってて」
「分かった」

「ところで君たち、お腹は空いてないかね?」
「空いているといえば、空いていますが…」
「ちょうど良かった。ハルちゃんだったかな?僕のおごりで喫茶店d…」
「みんなと一緒ならいいですよ」
「…まあいいか……。では行こう」

喫茶店の扉を開けると、美しい髪をしたかわいらしい女性がいた。

「ようこそ、お越しくださいました。こちらへどうぞ」

中へ通された。
席に座ると、女性がお品書きを持ってきた。

「あら、珍しいですね。カイトさんがナンパ関係でこのおみせにいらっしゃらないのは…」
「流歌(ルカ)、やめてくれ」
「oh,Wat zeg je nu?」
「オランダ語じゃわからん」
「日本語に訳すと、あら、何を言っていらっしゃるの?」
「何をって4人がドン引きするだろうが!」
「すでに俺らドン引きなんで、そこらへんはお構いなく」
「くそッ!」

「みなさん、ルカピスはいかがですか?当店のおすすめです」
「全員ルカピスでいいです」
「かしこまりました」


ルカは奥へ入っていった。

「カイトさんって頻繁にナンパしてるんですね」
「いや、別にそういう訳ではn…」
「そうよ。変態ナンパ野郎なの」

零子が喫茶店に入ってきた。

「零子さん!手続き終わったんですか?」

赤い軍服とスリットの入ったタイトスカートをはいた零子が喫茶店に入ってきた。
結わえていた髪を下しているため、腰辺りまで長さがある。

「えぇ、終わったわ。それから」
「れいちゃんの本名は、咲音芽衣子(メイコ)っていうんだ」
「え!?零子さんは本名じゃなかったんですか!?」
「そう。だから、これからは咲音メイコと名乗っていくわ」

「お待たせいたしました。ルカピス五人前でございます」
「あの…、たこ焼きは俺たち頼んでいませんよ?」
「optionです。ルカピスを頼むともれなくついてきます」
(そこは発音良くなくていいだろ…)

「そうそう…。あなた達、名前はなんていうの?」
「初音ミクです。こっちがハルさんで、鏡音リンちゃん、双子の弟のレン君です」
「ハルちゃんたちはどこの人なのかな?」

と聞きつつハルに近寄る。

「江戸です。旅をしています」
「へぇ、そうなの」
「あの、もしよろしければ、ご一緒していただけませんか?」
「私は構わn…」
「ハルちゃんが危ないから僕もご一緒しますよ」
「メイコさん、よろしくお願いいたします!」
(え、えと、俺は…?)

「私もご一緒していいですか?」

ルカが話に入ってきた。

「ルカさんも?」
「えぇ…。養子に出された妹がいるのですが、そこのお宅の消息が不明になってしまいまして…。よろしければ…」
「構いませんが、お店と話はついているんですか?」
「えぇ、前から妹を探したいということは言っていましたので」
「そうなんですか。では、行きましょうか。みなさん」

ミクは全員に目配せをした。

「長いことお世話になったわね…。この梅原にも」
「妹を連れ帰ってきたら、またこの喫茶店で働こうかな(私と店長と2人だけだったし)」
「ハルちゃん、大丈夫ですよ…。このぼ・く・がついていますから…」
「は、はい…」

7人は北の方向に歩き出した。







次回に続きます。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

千本桜 ~脱走姫様~ 第五話

やっと全員一斗まる様の設定通りになった…。(服装が)

メイコさんが長髪ですが、そのうちに…。

話の展開がめちゃくちゃなのは皆様のあたたかいスルーでお願いいたしますw

ルカさんはいろんな言語を喋れるようにしたかったけど、
うp主は英語とオランダ語しかできないので…orz

千本桜
http://www.nicovideo.jp/watch/sm15630734

本家様

閲覧数:548

投稿日:2012/05/30 20:57:42

文字数:2,876文字

カテゴリ:小説

  • コメント1

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  • しるる

    しるる

    ご意見・ご感想

    ん?みんな一緒だよね?最後7人だよね?
    ミク、レン、リン、カイト、メイコ、ルカ、ハルで…違う?w

    ルカピスwwww
    ルカピスって絶対、白い乳酸品飲料だぁwww

    いやいやww
    英語とオランダ語できたら、日本語含めて三言語じゃんwwすごいよww
    こういうのバイリンガル…じゃなくて、もう一個上のやつ……なんだっけ…?wwww

    2012/05/30 01:18:08

    • june

      june

      ハルを忘れていたぁぁぁ!!

      作者として最低だwww


      多国語ならポリグロットですねw

      2012/05/30 20:57:27

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