四百年程前のあの日、世界に認められたその科学者は、持っていた華やかな栄光を溝に捨て、地に落ちた。
彼は侵してしまったのだ、この世で敬意を払わなければならないものの一つに。
それは即ち【人】。
何を思ってそれを作ってしまったのか、その答えは彼にしか分からず。
まるで全てを闇へ隠すかのように、孤独な科学者は自らが望んだ【希望】に想いを寄せる。
その言動と彼が行ってしまった事により、人々はこの科学者をこう呼んだ。
―狂人だ、と。
巷で神話のようなものと化している、とある科学者の存在。
それは歴史上、子供達の誰もが学ぶ事だった。
但し、善い事の喩えではない、寧ろその逆だった。
【人】という存在への圧倒的な冒涜を侵した、類い稀なる歴史上の反面教師としてだ。
人々が最初に学ぶのはその類い稀な知識。僅か14歳という年齢で科学のすべてを理解し、四百年経った今でもその影響を色濃く残すほどの新技術の開発を手掛けたという手腕。そして厚い人望。彼は誰からも好かれる人柄だったのだ。常に笑顔を絶やさず、時には冷静に物事を捉え、時には弱いもののために立ち向かう優しさを兼ね備えていた。
しかし、未来を約束されたその少年は、次の誕生日を迎えないうちに堕落の道を辿る。当時謎の多かったその科学者を探っていた記者は、ある日偶然見てしまったものをカメラと己の瞳にしっかりと焼きつけていた。
曰く、彼は【あるモノ】を作ったと。
曰く、それは神と人への無謀な挑戦だと。
曰く、科学者の仁徳を裏切る、大事件だと。
曰く、【あるモノ】とは【人】だったと。
神以外に、作れはしないと言われていた【人】。それを、この科学者は人工的に作り出してしまったのだ。そして、この一大事は瞬く間に全世界へと伝えられ、人という人は彼の事を挙って集中非難した。神と人への暴虐極まりない行動、多大な人々への裏切り、果ては悪魔と契約した非人道的な魔王の手先だとも言われた。作られた【人】の用途についても様々な憶測が飛び交った、それこそ、『あり得ない』とまで言われる域のものまでもだ。一番あり得そうなのは『嘗て殺された肉親の復讐』。彼は世界に認められた直後、それを良く思わない組織に肉親を惨殺されたからだ。
或いは、最もあり得ないと言われた『クローン人間のサンプル、及び大量破壊兵器製造計画』。あまりにも誇張されすぎた憶測だと最初は言われたが、当時インタビューに答えたその騒ぎの現況はその【人】の用途に関する質問をぶつけられた時、彼はただ平然と言い放った、
『だから何だ』と。
この一言で、彼は全世界を敵に回し、居場所を失った彼は己の研究所に独り閉じこもってしまった。
彼が世界へ向けた答えは簡単だった。
彼は自らが作り出した【人】を選んだ、喩え世界中を敵に回しても。
四百年経った今、
人々が思いもよらなかった出来事が起こり始める。
その最初の兆候は、地球全土を揺さぶる大地震だった。
To the next chapter...
KOKORO -ソレハ幾度目ノキセキ?- 1
HPで公開している小説をここにも載せようと思い投稿させて頂きました。
今更だとは思いますが、畏れ多くもトラボルタP様の「ココロ」を題材に、オリジナルで作りました。
拙いものですが、楽しめたらいいな~と思います。
トラボルタP ココロ
http://www.nicovideo.jp/watch/sm2500648
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