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老いた記憶と共に老いた忘却は
埃臭い想い出すら引き留めてしまう。
午前四時の明星が吹き込む北風の下、ただ静謐を湛えた藍の空に、
蘇る影は夥しく、僕をじっと見ている。
そこにいると確信していた。心を突き破るような確信があった。
確かにその時、あなたの質量だけこの部屋の密度が高まった。
貴方の声がした。...紡ぎ出したのは。
TUCCA
fail.
~~~~~~
fail.
fail.
take fruits.
it's time to go.
blue jug.
fail.
夢が流れる。
裸足の夢。...fail.
TUCCA
世界がみな海へ還るとき
それはわたしたちのからだが
みな 朽ち果てて
わたしたちのこころが
みな 大きな時の胸に抱きかかえられ
同じ歌声となるときだ
"わたしたち"を担ってきたいつかの誰かが
少しずつ複雑に造り上げてきたこのからだが
その折り重なる部屋の一つ一つに宿る
"わたしたち"の記憶全てが...古代へ
TUCCA
わたしはわたしのなかへ とけてゆく
わたしは わたしを吸って 息をする
わたしは わたしを生かす 理由(わけ)もなく
わたしは わたしだと言う
なぜかは言えないけど
わたしは決して きみを泳がない
ただ きみにとけたいと
思うだけ
水の中の水みたいに
けれど きみはいつまでも...water under water
TUCCA
橄欖石を通してみた世界は、
何もかもが死んでしまった、
とてもしずかでうつくしい、
薄緑色のかなしみの世界だ。
切り取った窓の向こうには、
飛んでいるものさえ無いが、
未来も過去もないここにも、
確かな僕の意識だけはいま、
存在するのだと知ったのだ。
虚空 灯火...kanr
TUCCA
青を呑み込んで肥えた夜はどこか霞んで見えた。
スクリーンのドットは嗤う。一斉に。
独り今日という日に沈み込んでいくのが許されないのならば、
この世の創作はやがて形を失い崩れるに違いない。
文学は不道徳か。
後悔は許されないか。
思想は滅されるか。
数多の声がなぞった筋書きは
一つの不文律的な思考を糧...夜に虹色は(二不文律背反的詩篇において繰り返される二つの主題)
TUCCA
私は木陰に椅子を置いて
弟の試合が始まるまで
宗教の教科書を開いた
まるで蒸し暑い
夏草の臭う日であった
空色と言うに相応しい風景
光る空のそこは
日光を呑んで
照り返るような透明な緑だ
奥の木立のビロウドが綺麗だ...グラウンド横にて
TUCCA
僕は木を切る 木を切る
布を集めて縫い合わせる
帆を立てて船を出す 行き先はまだ未定
今あるのはただ、期待 淡い期待
見たい 夜が明けるその一瞬にいたい
頬いっぱいに朝日を受けたい
憧憬と後悔 波に揺れる僕らみたい
そういう事を紙に書き付けていく
紙の上だけ心が増えていく
この紙が僕だ 確信が満ち...空白に小舟
TUCCA
上へ……
通り過ぎた雨の向こう
通り過ぎた雨の向こう
通り過ぎた雨の向こう
まだ濡れてる
通り過ぎた雨の向こう
通り過ぎた雨の向こう
通り過ぎた雨の向こう
なお暮れ行く
通り過ぎた赤の向こう...夕立
TUCCA