プロローグ 前篇



VOCALOID達の世界の昔々のお話――。

人間の世界とVOCALOIDたちの世界はとてもよく似ている。
人間の世界の日本にあたる国。
『桜花国』のお話です。

―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・

今、この国王女が生まれる感動的な場面のはずだったのだが――。

「女か?男か?」
「かわいらしい女性でございます」
「そうか。私が頑張った甲斐があったというものか」

女王の顔がパアァッと明るくなった。

「しかし女王様」
「なんじゃ」
「双子でございます」
「なんじゃと!?同性か?異性同士か!?」
「残念ながら…。同性同士の双子でございます」

この国では同性同士の双子の妹の方は忌み子とされている。

「今すぐっ!今すぐ妹の方を殺せ!!さっさと殺すのじゃ!!今すぐ、今すぐじゃぁぁっ!!!」

女王が暴れだした。

「落ち着いてください女王様」
「落ち着いてられる訳がないじゃろ!!この私が、忌み子だなんてっ!!さっさと殺せ!!!」

そこに乳母の音瑠(ネル)が入ってきた。

「女王様、私がクビになる代わりに姫様を殺さないでいただけませんか?」

女王はやっと暴れるのを止め、女王らしく布団に座りなおした。

「付き合いの長いお主にそう言われては仕方がない」
「女王様?」
「この女を城から追放なさい。そしてこの忌み子を土産に持たせなさい」

何とも悪い笑顔を浮かべている。

「女王様…?」
「どうじゃ、望みどおりにしてもらった上に王族の子がもらえるなどめったにないぞ。感謝するがよい。
オーッホッホッホッ!!」

ネルは即座に退場させられた。

「女王様から伝言だ。念のため同じ漢字を用いて命名しておくそうだ。『未来』と書いて『ミク』という名前だ。もうお前に用はない。出て行け」

無理やり背中を押され、追い出された。


――忌み子など関係ない。この子を立派に育てあげてみせる。


ネルはそう胸に誓った。


ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

千本桜 ~脱走姫様~  プロローグ前篇

今回から新シリーズです。
千本桜をもとにした二次創作小説となっております。
この小説も亜種が出ます。
苦手な方はご覧になるのをお勧めしません。

http://www.nicovideo.jp/watch/sm15630734

本家様




10/22 注目の作品入りありがとうございました。

閲覧数:851

投稿日:2012/04/16 16:53:30

文字数:857文字

カテゴリ:小説

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  • しるる

    しるる

    ご意見・ご感想

    こんにちわ~w
    約束通り?やってきました~ww
    遅くなってごめんなさいww

    ネルちゃんかわいいよねww
    ミクの赤ちゃんの姿がまったく思いつかないねww

    2012/05/19 22:54:35

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