「レン!何で起こしてくれなかったの!?」

「起こしたよ、何回も。起きなかったのはリンでしょ。」

「じゃあ叩くなり何なりしてよ!!」

「叩いたら怒るだろ、どうせ…」

双子の弟のレンに文句を言いながら学校へと走る。

あ、勘違いしないでね。

いつも走ってるわけじゃないよ?

今日はたまたま寝坊したわけでね?

「ゲームばっかりしてるけどテスト大丈夫なのか?」

「は?テスト?」

「まさか…今日テストなの忘れてるとk」

「早く言ってよレンのばかあああっ!!」





当然、私のテストはいい点なわけがなく…

はい、追試です。

追試です!!(泣)

「またか、鏡音…」

「またって何ですかっ…。こっちだって頑張ってるんですよ!?」

「頑張ってるのは分かる。だからもっと頑張れ、鏡音。」

「…はい…。」

ふと教卓をみた。

あれ、プリント集が2冊…。

まさか、2冊ってわけじゃ…

その思考は開いたドアによって途絶えた。

男の子。
それも、そこら辺の男子とは違う。

超がつくほどの美少年だった。

私は一瞬で視線を奪われた。

透き通った汚れのない瞳に、蒼色の綺麗な髪。

「おー、始音。珍しいな、お前が追試なんて。」

「だって眠いんですよ。」

「だから回答用紙真っ白だったのか…」

眠らなければ追試じゃなかったってことだ。

真面目にやった私は何なんだろう(泣)

「追試同士、頑張ろうな。」

綺麗な笑みを浮かべる。

それだけで顔が茹で上がる。

「じゃ、先生は会議があるから。6時までやってろな~」

「「はーい。」」

2人きり。

静かな部屋にカリカリ、というシャーペンの音が響く。

「なぁ。」

「はい!?」

「名前、何て言うの?」

「えっと、鏡音、リン…です。」

「リンかぁ。あ、もしかしてレンの…」

「姉です!」

「なんかレンが兄貴みたいだな。」

よく言われる。

言われる度にショックを受けるのだが、今回は何ともなかった。

むしろ嬉しかった。

「俺、始音カイト。よろしくな!!」

「よっ、よろしくです!」

私は、この人が好きだ。

会ったばっかりなのに、ついさっきまでは存在すら知らなかったのに、彼がどうしようもないくらい好きだ。

だけど、こんな気持ちなんかいらなかったんだ。

「♪~」

「あ、俺だ。もしもし?」

先生がいないためか、躊躇もなく教室で通話している。

「あ、ルカか!?」

ルカ。

女性の名前であることは間違いない。

「明日?ん、まぁ大丈夫だけど…。えっ、マジで?分かった!じゃあまたな!!」

「あ、先生に言うなよ?」

「彼女さん?」

なんで聞くの、私。

分かってるのに聞くなんて。

傷付くだけじゃん。

それでも聞いてしまうのが女ってものなのかな。

「あぁ、溺愛のな!」

「そう…なんだ。」

さっきとは違う、もっと晴れやかな笑顔だった。

「あっ、コンタクトずれちゃった。ちょっと直してくるね!!」

コンタクトなんかつけてないよ。

でも、こんな変な嘘をつくくらい辛い。

レンが、テストを教えてくれれば。

追試にならなかったら。

―違う、何も悪くない。



泣き止んだら、スッキリするだろう。

また、笑顔になれる。

だから、今だけ泣かせて。

君の思いを断ち切るために。

ねぇ、いいでしょ?








fin.

続く…わけがない。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

失恋(リンver.)

失恋シリーズ第4段。
リンちゃんver.だよー

カイトルカと付き合ってる設定にしちゃったよ~

リン、俺の腕貸してもいいのよ(黙れ。

次は誰だろうね?

閲覧数:276

投稿日:2011/07/04 19:33:33

文字数:1,444文字

カテゴリ:小説

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  • 檸檬飴

    檸檬飴

    ご意見・ご感想

    リンちゃんにはレン君がいるよ!

    カイトが溺愛とかww
    ホントにリア充だなww

    2011/07/04 20:44:40

  • 魔熊

    魔熊

    ご意見・ご感想

    リンちゃん!
    大丈夫だよ、また良い出合いがあるよ!!

    カイトがルカにデレデレwwww
    リア充だな(-_-)

    禀菟の文才が羨ましい!!

    2011/07/04 19:44:38

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