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ゆっくりと上を見上げる。見上げた先には光が漏れている。
光は徐々に近づいてくる。エレベーターが作動音とアラームを轟かせ、私を暗い地下から明るい地上へと連れて行ってくれる。
やがてエレベーターはゆっくり止まる。そして、まっすぐ見つめた目線の先には、雲ひとつない青い空!
ああ、今すぐこの背中にあ...Sky of BlackAngel 第一話「テスト」
FOX2
唄音ウタ。愛称はデフォ子と呼ばれる、15歳の少女。カイトからの支援で就職した広告会社で、いつもと変わらない退屈な日々を過ごしていた彼女に、突然「アンリ」と名乗る謎の女性から警告の電話がくる。その直後、アンドロイド平和統括理事会の査察部隊・トリプルエーの議長¨健音テイ¨が現れる。ウタは部屋を変えて息...
「VOCALOID HEARTS」~第23話・闇の兆し~
オレアリア
「本当に……ありがとうございました!!」
チンピラ達が連れて行かれ、色々と混乱が収まった路地裏には
、今、ペコペコと頭を下げるハクさんと、照れる鈴音コンビの姿があった。
「いえいえ、当然の事をしたまでですよ……それよりハクさんにデルさんですよね!サイン下さい!!」
すると、ララの周りに《HoneyB...小説【とある科学者の陰謀】第十話~波乱と男心~その4
瓶底眼鏡
はちゅね像とは、ピアプロで一番大きな広場の真ん中に鎮座する、巨大なはちゅねミクの銅像のことだ。
何かの記念に配置されたらしいのだが、とにかく目立つのでピアプロで生活する人々やボカロ達からは渋谷のハチ公みたいにわかりやすい待ち合わせ場所という認識で定着している。
その例に漏れず、俺もまたここでハクさん...小説【とある科学者の陰謀】第十話~波乱と男心~その一
瓶底眼鏡
量産化祭中には、様々なイベントや出し物がそこら中で行われている。
その大多数は、初音ミク人気に惹かれやってきた客に自分たちを知って貰おうと考えた亜種達が開いたものだ。そしてそういった中に混じり、また、《男の娘☆ボカロ同盟》も
活動をしていた。
「リッちゃーん!こっち向いてー!!」
「サイン下さいサイ...小説【とある科学者の陰謀】第九話~祭りの始まり~その二
瓶底眼鏡
あの事件の直後……壮絶な非日常から帰ってきた僕らを待ち受けていたのは、何事もなかったかのように、そしてプログラムされたように普遍的な日常とそれに対する疑心暗鬼だった。
僕はあの事件から生還した直後、口封じでもされるかのように、地下研究所への異動と急務を命じられ、心の支えであるミクと一ヶ月間会うこ...THE END OF FATALITY第二話「過去の者」
FOX2
「……」
街のざわめきが遠い。
パフォーマンスを行っていた商店街を離れ、住宅街まで戻った俺が第一に思ったのは何故かそんな事だった。
夜の帳が降り始める中、俺が立つのは一つの宿舎の前。
普段俺が日常生活を送っているものより数段綺麗なそれは、亜種の中でも凄まじい人気を誇る者のみが生活を許されている、言わ...小説【とある科学者の陰謀】第九話~祭りの始まり~その三
瓶底眼鏡
「……」
(……どうする……)
俺に許された選択は2つ。
一つは普通に一言残す事。俺の面子は保たれるが、どんなリスクがあるかわからない。最悪もう一度死ぬ。
一つは組織の宣伝をする事。俺の命は助かるが、無数のギャラリー、そしてハクさんに狂言を吐く変人と認識されかねない。最悪死ぬ。社会的に。
即ち、どっ...小説【とある科学者の陰謀】第四話~天国と地獄~その二
瓶底眼鏡
ヘリという乗り物の中は意外と広い。中には私とパイロットだけだ。足元を見ると、そこには黒く細長い鉄の箱がある。何が入っているかは分かる。これで敵を倒す。するとスピーカーからパイロットの声がした。
私はヘリの窓から海を見下ろした。司令の部屋のテレビで見た船が少しずつ近づいてきた。
◆◇◆◇◆◇...Sky of BlackAngel 第八話「黒い刀」
FOX2
あれから数分が過ぎた。……と思う。携帯電話も完全に動かず、時間なんてとても分からない。それに、もう私にはそんなことはどうでも良くなっていた。
こんな暗いところに閉じ込められて、博貴と話すことも出来なくて、私はもう無理に外に出ようとせず、止まる気配のない貨物エレベーターの隅でうずくまり、駆動音が出...THE END OF FATALITY第一話「闇から見上げる兆し」後編
FOX2
『みんな、俺たちのライブを聞きに来てくれてありがとう!今日は、盛り上がろうぜー!!』
「きゃぁぁぁああああ!!不破さぁぁああああん!!!!」
ライブが始まった。キッチンダンプズという四人組のアーティストだ。俺も死ぬ前に活躍を何度か耳にした記憶があるが、テレビに出ていなかったのであまり詳しくは知らない...小説【とある科学者の陰謀】第十一話~束の間の対話
瓶底眼鏡
微かな振動が響き渡る中、無線から博貴の声が聞こえ、同時にバイザーの中のモニターに博貴の顔が映し出された。
「大丈夫……良好だ。」
あの基地でスーツを装着した私は、その後すぐにアンドロイド搭載用のステルス輸送機に搭載され、急ぐように空へと打ち上げられた。バイザー内に表示された高度計には、現在...THE END OF FATALITY第四話「再飛翔」
FOX2
二〇二〇年。今、日本は隣国の興国と一触即発の状態になりその上、強大な軍事大国となってしまった。
今から五年前、興国ではテロなどで内戦が絶えない状況だった。日本でもテロ行為が行われることがあった。それも、二年前には沈静化したように見えた。そして日本は、興国へ自衛隊の海外支援派遣を実行したのである。...Sky of BlackAngel 第三話「新人配属」
FOX2
「誰?あなたは・・・」
私の腕の液晶画面に、エラーメッセージが示されていた。
『ウイルス反応アリ、コレヨリ正常ナ状態ヲ保ツタメウイルスヲ除外シマス』
私のセキュリティ機能が反応を示した。
そして、私の中にいたウイルスが姿を現す。
「よっ、お前が初音ミク?なんだ、弱そうな見た目。がっかりだぜ。一応自己...雑音ミク×私
初音ミミック
午後五時四十分。俺は部下と共にブリーフィングルームを出た。
先の空戦テストのデブリーフィング(帰還報告)だ。だが敗北のショックからテストから得られたデータにも目を通す気は無かったし、ただテストの感想を適当に述べただけだった。
俺の隣で肩を落として歩いている、麻田武哉中尉の表情は溢れ出る悔しさと...Sky of BlackAngel 第二話「それぞれの仲間
FOX2
「いやーみんな、おーつかれさまー!!」
数時間後、セントラルビルを脱出、散開したのち、俺たちは我らがアジト(因みにアジトは宿舎の地下にある。本当にいつ作ったんだ)に再集結していた。
「最後の方でハプニングもあったけど、なんとか無事に目的は果たせた……よって今回の作戦は大・成・功ー!!やったぞ野郎ども...小説【とある科学者の陰謀】第八話~悪の組織、始動~その3
瓶底眼鏡
海は本当に静かだった。
ときどき、チャプン、と音を立てるだけ。わたし以外は誰もいない。
ゆらゆらと波が揺れるのが大きな月の光でよく見えた。
月・・・・・・。
この前にもこんな大きな月を、ひろきと一緒に見たっけ・・・・・・。
「今夜は月が大きく見えるよ」って・・・・・・。
あれから、...Sky of Black Angel 第二十四話「互いの想い」
FOX2
巨大な地下駐機場。この基地のあらゆる航空機が格納されている。離陸の際には、ここからエレベーターで地上のカタパルトを装備した射出滑走路に上げられ、最大四機発進できるようになっている。この水面基地にはこのような最新設備が数多く配備されている。この基地は言わば前線基地なのだから。
俺達はヘルメットを片...Sky of BlackAngel 第四話「凶の兆し」
FOX2
珍しく、夕食の直後俺達はブリーフィングルームに集められた。
何でも、至急隊員達に伝えることがあるそうだ。
「隊長。」
「……何だ。」
「なーんか今日調子悪くねぇか。今日出撃できなかったのがそんなに悔しいか?」
「……違う。」
麻田が俺の心境を無視したような発言を連発してくれる。たのむか...Sky of BlackAngel 第十話「スクランブル」
FOX2
ゆっくりとキャノピーが上がっていく。俺はヘルメットを脱ぐと顔の汗を拭った。
何か不吉な予感がする……体が緊張で張り詰めていた。あのような不可解な事件はこれまで起こったことがなかった。
タラップを使わずに機体から飛び降りると、足音が地下格納庫中に響いた。俺は格納庫の出口に向かって歩きだしながら、...Sky of BlackAngel 第六話「インストール」
FOX2
3、2、1、ポーン。
『たった今、初音ミク量産化祭が開催されました!今日はまだ一日目ですが、既にピアプロの中は人でいっぱいです!!この日の為に全国、いや世界中からボカロファンが集まったということで……』
ピッ。
『……ょうは、長年ボーカロイドについて研究をしてきた、高坂晋太郎教授にお越し頂きました。...小説【とある科学者の陰謀】第九話~祭りの始まり~その一
瓶底眼鏡
(二時間前)
「お呼びでしょうか。世刻司令。」
「ええ。あなたにお話しておくことがあります。かなり重要なことです。ですが機密情報のため、声に出して話すのはやめましょう。いくらこの部屋が防音でも、一応ね。」
「では、筆談……ですか。」
「そんなものではありません。」
「では……。」
「あ...Sky of BlackAngel 第十二話「虚」
FOX2
「……という訳さ。」
話し終えるとたいとは席に背もたれた。
話はだいたいわかった。たいとたちはあの船で敵を倒したあと、私と一緒にヘリでそのまま基地に来て、そのまま仲間になるらしい。しかしまだ納得いかないことがある。
「あの、たいと?」
「なんだい。」
「なんで君達が水面基地にくるんだ?」
...Sky of BlackAngel 第九話「兵器?」
FOX2
まだ深夜の時間。俺は恐ろしさの余りベッドから飛び起きていた。
頬を伝う冷たい感触を手で拭うと、顔面が汗で濡れているのがわかった。
「どうしたの?隊長。すごくうなされてたんだよ。」
「朝美……。」
暗闇で見えないが、俺のベッドの横に朝美がいるようだ。
「悪い夢でも見たの?」
「ああ……。...Sky of BlackAngel 第七話「予知夢」
FOX2
夜中に突然あたしは目が覚めた。何でだろう。充電中のはずなのに。
周りを見ると、真っ暗て訳じゃなくてぼんやりものが見れた。そういえばこの部屋、夜になるとうっすら壁が光るようになってるんだっけ。
机の上の時計に目をやると午前3時だった。ああ、何でこんな時間に目が覚めなきゃいけないのさ。あたしのすぐ...Sky of Black Angel 第十八話「葛藤」
FOX2
乾いた衝撃音が、ヘリポートから雲ひとつない蒼天の空へと響き渡った。
鉛の9ミリ拳銃弾が真空を切り裂き、音速で着きついた先で火花を散らした。
そうして一体のアンドロイドが、弱点である頭部センサーを撃ち抜かれコンクリートへ沈んだ。
それが、激戦の火蓋を落とした。
「ヴォォオオウゥ!!!」
残...SUCCESSORs OF JIHAD 第三十五話「雷神降臨」
FOX2
夜の静寂を基地の中に轟くサイレンが破った。それに叩き起こされた僕は反射的にベッドから飛び起き、タイトとキクもけたたましいサイレンの音に反応してスリープモードから目覚めた。
「博士!これは……。」
「ひろき、こわいよ……。」
「スクランブルだよ。基地のレーダーが敵を捉えたんだ! すぐに決められ...Sky of BlackAngel 第十一話「予期せぬ交戦」
FOX2
朝というものはいつ何時でも穏やかなものだ。
大都会の中心でさえ、あの喧騒を取り戻すのは昼に近い。
まして、人々が日々生活を営むこの高級住宅は平和という言葉が相応しい。
爽やかな風が全身をすり抜けるように空間を流れ、
顔を覗かせて間もない太陽の日差しが眩しく、
聞こえるのは、かすかな生活音...I for sing and you 最終話「I for sing and you」
FOX2
スクランブル待機室に待機してから半日が経とうとしている。
正直、何もしないでこうして座っているだけなのは暇と言えば暇だ。
警戒態勢など敷かれていなければ、今頃いつもの上空警戒任務で空に漂っているか、訓練用シミュレーターをやっているかどちらかだろう。
しかしいざとなれば優先的にここに待機させら...Sky of BlackAngel 第十三話「ソード小隊」
FOX2
午後3時30分。すでに黄金色に染まりつつある高度6万フィート上空を、私は亜音速の速度で飛行し続けた。硬いスーツ越しでも、風が摩擦し、体を締め付けるGの感覚が心地よい。
しかし、あまり自由な飛行を楽しんでもいられなかった。ディスプレイに表示された通りの航路を飛行しなければならないし、高度も速度も固...THE END OF FATALITY第五話「Enemy In Bound」
FOX2
格納庫内には頭上からの衝撃音とサイレンが響き渡っていた。
振動、爆発・・・・・・。今、俺達の頭上十数メートルのフライトデッキでミク達が戦っている。突然襲来した謎のアンドロイド部隊を相手に。
たが、俺達はこうして格納庫でじっとしている他無かった。
気野も朝美も、麻田すらも床に視線を落としている...Sky of Black Angel 第二十一話「謎の敵」
FOX2
「十二時方向、速度五百キロ、高度は一万フィート。同高度だな。もうすぐ目視で確認できる。各機減速。不明機を取り囲むぞ。」
ただ青いだけの空に一粒の小さな点が見え始めていた。おそらくあれが例の不明機だ。
「見えてきた。」
俺達はさらに距離をつめていく。次第に機体のカラーや形が明確に見えてくる...Sky of BlackAngel 第五話「不明機」
FOX2
ネブラに何とか着艦した私は、まともに身動きがとれないまま、着艦の際に空中で私のスーツを掴まえたアームによってエレベーターに固定され、ネブラの奥深くへと取り込まれていった。
少し戸惑っていると、ランスからの無線が入った。
「レーダーやソナーで確認した限りじゃ、生体反応も熱源反応もない……。」...THE END OF FATALITY第六話「私」
FOX2
目の前に立ちはだかる黒い物体・・・・・・。
それは2本の恐竜のような足で直立し、水中潜航が可能な戦闘用アンドロイドだった。
水中潜航のための特異なフォルムに鱗のような光沢をもつ装甲に覆われたボディ。
その全長はざっと5メートル。まるで海洋生物、いや、西洋の伝説に登場しそうな、水に棲む怪物か。...Sky of Black Angel 第二十話「白い鉈」
FOX2
こうして、俺の歓迎会が始まった訳だが……
「なんつう規模だよ……」
数にして200は下らない亜種ボカロ達が、順番に舞台に上がって歌や踊りを披露してゆく。今は初音ミクを男にしたみたいな奴(おそらくは初音ミクオ)と、KAITOを女性化したみたいな奴(おそらくはKAIKO)がカンタレラなる楽曲に合わせ踊っ...小説【とある科学者の陰謀】第四話~天国と地獄~そのー
瓶底眼鏡
この時点で、俺の頭の中に様々な疑問が渦巻いていた。
だが、どうやらゆっくり考えるのは生きて帰った後のようだ。
《こちら雪峰所属、ロンチ隊。配置についた!!AWACS、指示を請う。》
《こちら水面基地所属警戒管制機ゴッドアイだ。これより各味方航空機に指示を出す。既に百マイルのC-42エリアに...Sky of Black Angel 第二十二話「大空中戦」
FOX2
どうして・・・・・・。
どうして、わたしだけが生き残ったんだろう。
キクも、ワラも、ヤミも、タイトも、ミクオも・・・・・・。
誰も自分から死にたいなんて、思うわけがない。
ミクオだって、本当は、死にたくなかったはずなのに・・・・・・。
...Sky of Black Angel 第四十九話「別かれの前に」
FOX2
銃。それは私が持っている知識の中で、数少ない嫌悪と恐怖を示すもの。
艶のない黒一色に覆われたおどろおどろしい外見は異様な空気を纏い、手に取ればその見た目以上の重量が手の平から体の芯に食い込む。
弾丸を込め、機関部に初弾を装填したときの金属音は、威圧的に刺々しく耳に刺さる。
そして引き金を引い...THE END OF FATALITY第八話「Close Quarters Combat」
FOX2
「マスター・・・・・・ネルいつ帰って来るんだよ。」
リビングのソファーに座って新聞を広げていると、ふとそんな問いかけが耳に入る。
声の方を見やると、赤い髪の青年が元気のない表情で立っていた。
「心配するなアカイト。今は少し辛い状態だが、落ち着いたところを見計らって連れ戻しに行くさ。」
「見...I for sing and you 第五話「嘘と本音」
FOX2
「ソード隊、発進準備を開始せよ。」
無線に管制官の声が聞こえてきた。
深夜00:00時、遂に運命の刻はやって来た。
整備員から敬礼と激励の言葉を受け、俺は機体のコックピットに乗り込んだ。
計器類を操作し、アビオニクス灯が灯る。
命を吹き込まれたエンジンから猛獣の咆哮のような作動音が鳴り響...Sky of Black Angel 第三十七話「価値無き真実」
FOX2