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ひとりじゃ見えないものがある
(Buddy)
ひとりじゃ分からないことがある
(Buddy)
わたしの手をとってそっと導く
(BUddy)
あなたがいてくれる
(Buddy)
わたしの体を...I for sing and you 第二十二話「Buddy」
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ピアプロは、ボーカロイド専用のプロダクションだけでなく、各メディアへ登場する際に必要なテレビ局、ラジオ局としての機能も兼ね備えている。
最も、ここではその他のテレビ番組の殆どが放送されている。
ピアプロは放送局としても利用されている。日本で最大のテレビ局でもある。
ここは、テレビ放送部の第二...I for sing and you 第二十一話「収録開始!」
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ついにここまで来れたんだ。
出会い方は良くなかったけど、あのネルをここまで立ち直らせて、その上、好きになった。
そして、ネルと一緒に歌うことが、こんなに楽しいと初めて知った。
わたしは、ネルと出会えて、本当に良かったと思う。
そうして、わたしは、今度はネルとテレビに出演する。
わたしもネ...I for sing and you 第二十話「狂」
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とうとうここまで来た。
みんなの家を出て、生きる希望すらなくしていたあたしが。
ここまで立ち直れたのは、なにもかも、雑音のおかげだ。
雑音とあたしがめぐり合わなかったら、あたしはどうなっていただろう。
とにかく、あたしは雑音のおかげで、もう一度、テレビに出演する。
みんなの前に姿を現して...I for sing and you 第十九話「異空間」
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「ひろき・・・・・・。」
そう僕の背中へ呼びかけ、引き止める声があった。
声の先には、眠りから覚めたばかりのミクが寝ぼけ眼で僕を見つめていた。
「あ・・・ごめん。起こしちゃった。」
「・・・・・・。」
早く家に帰った日は、ミクにねだられて一緒に寝ることになっている。今日はネルさんも一緒だ...I for sing and you 第十八話「すぐ、近くに」
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「テレビ出演まで、もう一週間か・・・・・・。」
「明日から、ピアプロのテレビスタジオのほうに行くんだよね?」
「ああ。そこで色々と練習だ。」
そんな風にお喋りをしながら、あたし達は冬の夕日で茜色に照らされた道路を歩いている。
寒い・・・・・・。
肌で感じる寒いという感覚を味わう、それ...I for sing and you 第十七話「団欒」
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自分以外は誰もいない、静かな空間。
だが正直、ほんの先程まで静かではいられなかった。
雑音さんとネルの新曲の作成で、ヘッドホンをし、機材のモニターに張り付くように作曲に没頭していた。
時計の針が十一時を指したことに気付くと、何故かそれまで没頭していた作業を中断し、休憩を取ろうと考えた。
こ...I for sing and you 第十六話「疑惑の者」
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クリプトンの暗部ともいえる、クリプトン・フューチャー・ウェポンズ。いわゆる兵器産業を専攻する子会社に、試作兵器実験部隊、なるものが存在する。
自社が独自開発した最新兵器類の性能を実証するため、各国の紛争地帯へ国籍を隠し秘密裏に入国し、紛争へ参戦することを目的とした、現時点では日本防衛軍を上回る戦...I for sing and you 第十五話「現在進行形」
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「・・・・・・雑音・・・・・・・・・・・・。」
目の前で涙を流す雑音に、どんな声をかけたらいいか。
それで迷っている。
なんて・・・・・・なんて言えば・・・・・・。
雑音は、必死に涙をこらえながら、あたしに何か言おうとした。
「ネル・・・・・・わたしは・・・・・・。」
だけど、言葉が...I for sing and you 第十四話「言葉なんかいらない」
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右も左も分からないまま、また訳の分からないことが起こった。
雑木林の中からあたしが見たのは、雑音に目にも止まらぬ速さで飛び掛った、ミクオの姿だった。
「なッ!」
雑音の体が、大きく宙に舞い、空中でくるりと一回転すると、静かに石畳の上に降り立った。
雑音は、頬の切り傷のようなものを拭った。
...I for sing and you 第十三話「隠し事」
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ここは暗くない。
電灯、建物の明かり、お店の明かり。
静かでもない。
傍を通り過ぎる人達、お店から流れる音楽、道路を通る車。
暗くも、静かでもない。この街。
明るくて、活気にあふれている。この街。
わたし達の街、水面。
「へぇ・・・・・・これが水面都かぁ。」
ミクオが辺りを見回しな...I for sing and you 第十二話「運命と宿命」
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あたしは、雑音とユニットを組むことになったんだ。
そう。これならファーストの連中に勝てるかもしれない。
と、言うわけで敏弘のプロデュースで活動を再開することになった。
だけど、雑音が・・・・・・。
雑音の様子がおかしい。
あの、新人の初音ミクオを見たとたんに。
最初は、昔のなんかの仲か...I for sing and you 第十一話「記憶の者」
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朝だ。
あたしは、とうとうピアプロに行くことを昨日の夜、決意した。
やっと自分を見つめなおすことができたんだ。
あたしにも、何かできることがある。じっといてはいられない。
何かを、始めないと。
そして、確かめないと。
大丈夫。あたしには・・・・・・。
「ネル。」
雑音がいる。
「...I for sing and you 第十話「再臨」
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ちょっとまってよ。
なんであたしと雑音で一緒に風呂なんか入いんの?
つうか脱衣所目前まで来てんだけど・・・・・・。
「ちょっとまってよ!なんであたしと雑音でお風呂なんか・・・!」
「いやか?」
思ったことでそのまま講義すると、またそんな顔を。
まったく、あんたの顔、まるで凶器だよ。
...I for sing and you 第九話「触れ合い、和解する」
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「俺達」の記憶にある限りでは・・・・・・・・・。
「彼」と「彼女」の関係は言葉では到底、表現に足りないものである。
様々な感情が二人の間で行き交い、時には愛が。時には憎悪があった。
そして、「彼女」は、
「彼」を殺した。
義務か、使命感か、昂りか、本能か。
定かではないが、彼が...I for sing and you 第八話「意外な出来事」
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「よう。俺だ。どうだライブツアーは。みんなや新人の調子はどうだ?」
『明介かぁ!久しぶりだな。俺もみんなもヘトヘトさ。ルカはまだ元気だけどな。』
「そりゃ良かった。こっちにはいつごろ帰れる?」
『まだ一件予定があるから、明後日の朝だな。』
「そうか・・・・・・。」
『ところで、何のよう...I for sing and you 第七話「相談者」
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どすん、と洗濯物の入ったカゴを、気持ちいい冬の日差しが差し込む庭から家の中に運んだ。
「ふう・・・・・・雑音。終わったよ。」
そう奥の方に呼びかけた。
「ありがとうー!今行く。」
洗濯機の音に混じって、雑音の綺麗な声が家の奥から響いてきた。
綺麗な声。
普通のボーカロイドとは違う自然な...I for sing and you 第六話「二人の気持ち」
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「マスター・・・・・・ネルいつ帰って来るんだよ。」
リビングのソファーに座って新聞を広げていると、ふとそんな問いかけが耳に入る。
声の方を見やると、赤い髪の青年が元気のない表情で立っていた。
「心配するなアカイト。今は少し辛い状態だが、落ち着いたところを見計らって連れ戻しに行くさ。」
「見...I for sing and you 第五話「嘘と本音」
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僕は今、様々な情報が表示される板に視界を囲まれている。
トリプルディスプレイ。専用の端子を使ってモニターを三つまで増やしてある。
そこに表示される情報に従って、視線をモニターからそらさずキーボードの上に指を走らせる。
何気なく机上の置時計を見ると、午後九時ちょうど。
たとえちょっと視線を動...I for sing and you 第四話「迷い」
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俺の「監視」の管轄内であるキャラクターボーカルアンドロイド、そのセカンドシリーズの一人である亜北ネルが、昨日のおよそ正午から、クリプトンの所有する専用居住住宅から姿を消した。
そうと分かった瞬間、あれほど心臓が凍りついたときは過去にない。
理由はどうあれ、問題はそこではない。そんなことは最初か...I for sing and you 第三話「わたしの気持ち」
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誰かの話し声が聞こえる・・・・・・・。
この部屋から離れたところから。
「ネルさんの調子はどう?」
「もう大丈夫。さっき見に行ったときはまだ熱があったけど、また起きるときには熱が冷めると思う。」
「そう。お友達には連絡したの?」
「ああ。もうすぐ迎えに来ると思う。」
「じゃあ安心だね。...I for sing and you 第二話「暖かさ」 後編
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何か、聞こえる・・・・・。
車の音や、スズメがさえずったり、何かしら音が聞こえる。
じゃあ、目が覚めたんだろう。
ゆっくりと目を開けると、そこには見たこともない白い天井があった。
時間がたってもっと目が覚めると、羽毛のベッドに寝かされていることが分かった。
暖かい・・・・・・。
服はあ...I for sing and you 第二話「暖かさ」 前編
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暗闇の空、降り頻る冷たい滴、雨。
しかし、それとは対照的である商店街の雑踏の中を、俺は足早に進んでいる。
人々の話し声、波打つ雑踏、どこからとも無く流れ来る音楽。
焦燥する俺のことなど気にも留めない商店街は、相変わらず疲れを知らないような賑やかさで沸き立っている。
首を回して視界を巡らせ、...I for sing and you 第一話「雨天の迷子」
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しっかりとバックのファスナーを閉め、背に負った。
僕の持ち物といえば、こんなリュックに入りきる程度だったのかと、今になってやっと気付いた気がする。
出口のドアの傍まで来ると、振り返り、もう一度この部屋を見渡してみる。
灰色の壁、窓は無く、そう、無機質な部屋だ。
でも、この部屋とももうお別れ...Sky of Black Angel 最終話「on Stage Black Angel」
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どうして・・・・・・。
どうして、わたしだけが生き残ったんだろう。
キクも、ワラも、ヤミも、タイトも、ミクオも・・・・・・。
誰も自分から死にたいなんて、思うわけがない。
ミクオだって、本当は、死にたくなかったはずなのに・・・・・・。
...Sky of Black Angel 第四十九話「別かれの前に」
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忽然と、暗黒の渦中から目覚めようとしていることに気がついた。
鼓膜より伝わる音が、海の静かに波打つ音だと確認し、眼は蒼くなりつつある夜空を像として映し出していた。
無論、体が目覚めていくうちに、傷からの痛みも信号となって脳に伝わる。
それの殆どが火傷である。
とりあえず感覚器官及び神経は無事...Sky of Black Angel 第四十八話「何者か」
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ただ澄んでただ蒼くて
指先すり抜けていく風
「いぃぃやぁッ!!」
「ふんッ!!!」
手が届きそうででも届かなくて
...Sky of Black Angel 第四十七話「Sky of Black Aengel」
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運命の時は刻一刻と迫っている。
額から汗が滴り落ちる。いや、額どころではない。
この緊急事態に、全身が汗で濡れ、震えていた。
心臓の鼓動が高鳴り始めてから随分と立つ。
目線の先にある立体投影型ディスプレイには、ストラトスフィア、ゴッドアイ、その他敵味方航空機の機影が映し出されている。
オ...Sky of Black Angel 第四十六話「自らの意志」
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「終わった・・・・・・のか?・・・・・・おい、円。生きてるか?」
「うるせーな飛鳥・・・・・・俺ぁここにいるよ。」
「なんだ、生きてたのか。」
「お前こそな。」
「当然だ。周りの連中みたいにグロい死に方だけは勘弁だぜ。」
「にしてもすげぇな。どれくらい死んでんだコレ。」
「こっから見え...Sky of Black Angel 第四十五話「再び会えると信じて」
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腕を一振りすると、目の前の黒い敵が真っ二つに切り裂かれる。
切れ目から透明な液体を撒き散らして爆発する。
弱い。こんなやつら、どうせ何匹いたって同じ。
それなのに、基地のみんなはてこずってる。
無線を聞く限り、もう何人も死んでる。馬鹿なやつ。
まったく、めんどくさいことになった。
あの...Sky of Black Angel 第四十四話「翠の銃槍」
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離陸した時既にレーダーに反応があった。
遥か前方に、いや、もはやAエリアへの接近を許してしまっている。小型の機影が、数え切れないほどに。
数十の単位ではない。
しかも、航空機でもない。
「こちら司令部。ソード隊、ダガー隊、ブレード隊は、敵アンドロイドから基地を護衛せよ。射出滑走路は既にハ...Sky of Black Angel 第四十三話「泥沼」
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総合司令室にいる者全てが、モニターに映し出されたミクオの姿を見て愕然とした。
『久しぶりですねぇ世刻司令。』
『ミクオ君・・・・・・何故ですか。』
ストラトスフィアの司令であるミクオと、今までに耳にしたことのない、世刻司令の困惑した声がスピーカーから響いた。
この向こう側のモニターは司令...Sky of Black Angel 第四十二話「決戦へ」
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「初めて入った・・・・・・ここ。」
看護室に入るなり朝美が言った。
「静かにしろ・・・・・・いいか、あのベッドだ。」
俺はピンクのカーテンに覆われたベッドの一つを指差した。
「ねぇ。ホントにぼくでいいの?」
「当たり前だ。ゲノムにはゲノムしかない。」
GP-1の相手をしてくれと頼...Sky of Black Angel 第四十一話「最悪の始まり」
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ソード隊が哨戒任務中に発見した、ゲノムパイロットの機体。
それが何故ここにいるのかという以前に、彼は今危険な着陸を行おうとしている。
「少佐、着陸を行おうとしています。」
「無線は?」
「繋がりません。回線を閉じています。」
オペレーターからもゴッドアイと同じ返答が帰ってきた。
彼は...Sky of Black Angel 第四十話「脅える彼」
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今わたしは隊長たちと空を飛んでいる。
「しょうかい任務」という。
わたしは飛ぶのが大好きで、こんなに天気のいい日に空を飛べて、本当ならうれしいはずなのに。
今日は、あまりうれしくなかった。
みんな静かだ。いつもいろいろ話してくれる武哉も、舞太も、
みんな黙ってしまって。
昨日、司令の部...Sky of Black Angel 第三十九話「凶の兆し再び」
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