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空は今日も灰色だ
私がここに閉じ込められて半年がたった
気がついたときにはほとんどだれもいなくなった
「ハク姉」
しんと静まり返ったコンクリートの牢屋の中で、遠い血縁の彼女は言う
「ボクたちはいつここから出られるの?」
彼女の言葉はコンクリートに反響し、むなしく響く
「ハク」
黒々と穴が開いたかのよ...スクラップ
curoe@耶珠也(藤木)
・・・・・・。
「ボスお目覚めのようです。」
「ふん。案外としぶといものだ。」
右も左も分らない暗闇が薄れて、それが去った時、視界が、眩い光で真っ白に塗りつぶされていた。
目が痛くなるほどの光も徐々に薄れ、俺は三人の人影が、目の前に立っていることに気がついた。
「よく眠れたか?A-D。い...SUCCESSOR's OF JIHAD第七十五話「託された未来」
FOX2
鋼鉄の咆哮。深紅の雷鳴。黒き銃声。
このコロシアムに耳を劈き天地を揺るがす轟音が響き渡った。
そして、網走智樹の乗るアシュラが、一瞬で眼前に映っていた。
「ッ!!」
装甲をパージする前とは桁違いのスピードを前に、俺はただレバーのトリガーを引くことしか出来なかった。
即座に40mmバルカン...SUCCESSOR's OF JIHAD第七十四話「最期の笑顔」
FOX2
ただ茫然と、俺は目の前のモニターに映し出された光景を眺めているだけだった。
そこには、レーザーの直撃を受け、黒煙を上げながら沈黙している、ソラの機体。
そして俺と同じく、茫然とこの光景を目の当たりにしながら沈黙を始めた、四機の戦闘機とそのパイロット。
誰もかもが、一言も声をあげず、ただ茫然と...SUCCESSOR's OF JIHAD第七十三話「役立たず」
FOX2
鋼鉄の巨獣に乗り、一歩、また一歩と鋼鉄の大地を踏みしめる。
視線の先には、暗いトンネルから差し込む、太陽の光。
あの先へ、あの光の先へ抜ければ!
俺は端の躊躇いもなく前進し、鋼鉄の巨獣、ハデスと共に光の中へと飛び込んだ。
そして次の瞬間には、眼前には、広大なグラウンドが広がっていた。
...SUCCESSOR's OF JIHAD第七十二話「THE・SORROW DUEL」
FOX2
晴れ渡る空。雲一つさえない澄みきった青。
街ではミンミンとあちこちで蝉が鳴く。
去年にも増してそれはうるさく聞こえる。
前に聞いた時は、このうっとうしい鳴き声でさえ快く聞こえたのに、
何故こんなにも急に、うざったく聞こえるようになってしまったのだろう?
――街の中の公園。
俺はそこのベンチにだらりと...Gift from you
†B†
三人で細長い通路を駆け抜けていく。
これからどうするか、そう脳内で模索を続けながら。
「ワラ、ヤミ。で、脱出の目処は立っているか。」
「ええ。ちょっと大げさな方法かもしれませんが。」
「大げさっていうか、大胆な感じ?」
足を止めず、ワラとヤミが答える。
「ほう、どうするんだ。」
「こ...SUCCESSOR's OF JIHAD第七十一話「光射す先へ」
FOX2
今まで行動を共にしていたはずの二人が、突如として、俺に刃の矛先を向けていた。
「おい!どうしたんだ二人とも!」
呼びかけても二人から返事はなく、次の瞬間、俺はワラの放った大蛇の如き草日から身を翻していた。
「ミクオ!!どういうことだ!」
振り向くとミクオのいた場所に巨大な光の円が飛び去り...SUCCESSOR's OF JIHAD第七十話「Indulge in TWO」
FOX2
ハンガーを出てコンピュータールームに向かう途中、無線機に通信が入った。
相手側の周波数は分らない。セリカやタイトではないだろう。
「誰だ。」
『僕です。』
無線に応答すると、ミクオの声が返ってきた。
「何の用だ?」
『僕はコンピュータールームに居ます。今、貴方がワームをインストールしや...SUCCESSOR's OF JIHAD第六十九話「処刑」
FOX2
サビ1
守りたい 明日があって
守りたい 人がいるよ
もし 君を守れるなら
もう 俺は迷わない
Aメロ
冷たい鋼(はがね)に 灼熱の意志
戦禍に投げ出された 少女の涙
A'メロ
鋼(はがね)の翼駈り 空を駆けるよ...鋼鉄の翼
ホーリー
鋼鉄の装甲を纏い、背の翼で飛翔し、巨大な砲塔を片手で振りまわす。
その異様な姿の彼女、重音テトの、装甲に包まれたヘルメットのセンサーが、しかと俺を睨みつけている。
「さぁ、消えるがいい!!」
テトの叫びと共に、その手にある巨大な銃の砲身が光を放ち、モーターのような音を響かせ、光を収束し始めた...SUCCESSOR's OF JIHAD第六十八話「FOR FUTURE」
FOX2
広大な鋼鉄の空間に独り取り残された俺は、一刻も早くここから抜け出そうと考えたのだが、たった今、ミクオから聞かされた重大な事実を少佐に報告しなければならないと思い、無線でセリカを呼びだした。
「セリカ。少佐と繋いでくれ。」
『はい。』
すると一度無線の反応が切れ、別の周波数に接続された。
『...SUCCESSOR's OF JIHAD第六十七話「憤怒のキメラ」
FOX2
次第に会場にも静けさが戻ってきた。
それと同時に、五人の目に、鮮やかにうつるフィールドの上の兄姉。それと、相手の二人組み。
信頼する二人のこと、そう簡単に負けるとは思わないが、ある意味ピンチには違いないだろう。しかも相手は二人の曲を完全にコピーして、その力で能力を使っているのだから、二人は動揺...今日も双子日和 15
リオン
果てしなく広大で、果てしなく静寂な鋼鉄の空間、ハンガーに、彼のつぶやきが響き渡った。
ミクオが発した言葉は、間違いなく、俺のことを指していた。
意外すぎる出来事に思わず目を見開いた。
「ご覧になっていたんでしょう。大丈夫、攻撃したりはしません。」
クロークを起動し、気配すらも押し殺していた...SUCCESSOR's OF JIHAD第六十六話「何が正義か」
FOX2
タイトに背を任せ飛び込んだ先は、思いのほか静寂に包まれていた。
階段から見下ろした先には、広大なハンガーが広がっている。
どうやら航空機用のカタパルトらしいが、無数あるカタパルトには四機の黒い戦闘機が設置されているだけだった。
さらに奥へスコープをズームさせると、人型の巨大なABLがある。
...SUCCESSOR's OF JIHAD第六十五話「自由のために」
FOX2
突き出された『それ』は、どことなく見覚えるのあるはねっ毛、茜色の長髪、特殊な服装、それに何よりカラクリ人形のように関節部分が無加工である異端のボーカロイド。
「…ミキが、どうかしたか?」
「データに異常が起きているらしいんです。とりあえず、見てやってくれませんか」
「いいが…ハク!準備をしろ。メモ...今日も双子日和 14
リオン
自分を中心とした十字線を取り囲む、無数の光源。
ここもすぐに、大勢のアンドロイドが警戒に押し寄せてくる。
「・・・・・・クローク、起動。」
適当な壁に張り付き、スーツのモードを切り替えると、スーツのセンサーが壁の色をスキャンし、その表面を壁と同化させていく。
クロギンの話によれば、この状...SUCCESSOR's OF JIHAD第六十四話「紫の包帯」
FOX2
また、しばらくの間、休憩時間だ。
「リン、レン、凄かったわ!」
長女らしく、妹と弟を正直に褒める。
「本当!いつの間にあんなうまくなったの?」
両手を合わせて頬に寄せると、ミクが笑う。
「…まあまあでしたわ」
褒めているのかいないのか、よくわからないがルカの反応はよろんでいいのだろう。
「か...今日も双子日和 13
リオン
これからしばらく、仲間たちの出番はない。
何せ、リンとレンが出るのは全十五試合の最後、十五試合目なのだから。途中から見ているのにも飽きたリンとレンは、メイコに言ってドームの中を探検してみることになった。
「レン、あっちに行って見よう」
と右の通路を通って、
「リン、こっちが面白そう」
と左の...今日も双子日和 11
リオン
「あ、デルさん…。おかえりなさい」
薄暗い部屋に帰ってきた銀髪の青年を、同じく銀髪の女性が申しわけなさそうに出迎えた。女性の前を素通りし、先ほど氷山から受け取った機器を弾くように女性のほうへと放り投げ、奥の椅子に腰掛けた。プラズマ画面が表示されると、女性へ呼びかける。
「読み込め。報告するものはバ...今日も双子日和 10
リオン
螺旋状ノ恋
01
「カイト殿下、ミク秘書官様。本日はお越し戴き誠に感謝しておりますわ。」
アタシは満面の笑みを浮かべて言う。勿論その笑みは普段浮かべている偽りの物などではなく、心からの物だった。
「いや、丁度≪紅≫の工業の技術を学ぼうと視察を考えていたところでしたから。僕達にとっても都合がいい。」...螺旋状ノ恋 第一話 01
kmy。@元蒼刻楼藍
最初に...
この“螺旋状ノ恋”は、年齢・兄弟関係総無視、キャラ崩壊は当たり前の状態です(汗)
それでもおkという方のみ前のバージョンへお進みください★螺旋状ノ恋 第一話 前章
kmy。@元蒼刻楼藍
蒼い魔女が微笑んだ。彼女の手招きを目にした瞬間、そんな風に見えた。
四肢に装着した拳銃。流れる青い髪。妖艶な微笑み。
苦音シク・・・・・・。
数百の銃口を向けられようとも、そんな威風堂々たる姿を崩さない彼女の態度に、俺は一瞬、体を縛られたような感覚に陥った。
「デル!おい!!」
背後から...SUCCESSOR's OF JIHAD第六十三話「蒼い魔女」
FOX2
体は無重力に包まれ、視界に蒼き地表が広がっていた。
ここは高度五万フィートの空。地球から、宇宙へと繋がる場所。
ミサイル型カプセル、ドローンの窓から周囲を見渡すと、そこには俺と同じくドローンに搭乗した仲間、そして、役五百発の空対地ミサイルだ。
これから、この仲間とミサイルと共に、的の重要施...SUCCESSOR's OF JIHAD第六十二話「ハイテンション・ダイヴ」
FOX2
ロッカーの立ち並ぶ部屋で、俺はタイトと共に、あの浅黒いクリプトン社員、クロギンから渡されたコンテナの中身を確認していた。
まずは、俺が水面基地に置いて来たスニーキングスーツと特殊自動拳銃Ⅳ型、GPS端末で、タイトにも色違いのスーツが用意されていた。
そして次に目に付いたのが、異常な数の銃火器類...SUCCESSOR's OF JIHAD第六十話「得体の知れない男」
FOX2
鉄の階段を、駆け上がった先に到着した俺は、まず最初に、絶句した。
眼前には、視界を覆いつくす程の巨大な何かが聳え立ち、その周りを色とりどりの作業服を着たクルーが忙しなく駆け回っている。
「これって・・・・・・。」
隣のワラが驚きのあまり声を漏らした。
確かに、突然こんなものが視界に迫った...SUCCESSOR's OF JIHAD第五十九話「ブリーフィング」
FOX2
ブリーフィングルームで俺達を出迎えたのは、海軍将校の制服を纏った、威厳のある顔をした初老の男性だった。
「ようこそ。我が雪峰へ。私は本艦の艦長である、壮河凪だ。諸君らとは、あの戦闘以来だな・・・・・・。」
そう言い、彼は俺達に向け敬礼した。
彼の襟を見ると、大佐の階級を示す三ツ星が輝いている...SUCCESSOR's OFJIHAD第五十八話「『す』から始まる言葉」
FOX2
第二回目の出撃。
その任務開始から既に十時間ほど経過したところだろうか。
そしてこのVTOLの操縦桿を握り締めて三時間が経つ。
自体は思わぬ方向に発展したものの、俺とタイトは任務を遂行することができた。
が、現在の状況が絶望的であることに変わりはない。
Piaシステムの作動により、日本...SUCCESSOR’s OF JIHAD第五十七話「着艦」
FOX2
コンソールに視線を巡らせ、ボタンやスイッチ類に指を走らせる。
問題ない・・・・・・こういった航空機の操縦は熟知しているつもりだ。
油圧正常。エンジン異常なし。
飛べる。
コックピット内に、エンジンの躍動が響き始め、メインパネルのモニター類から正常に起動したことを告げる電子音が鳴り響いた。
...SUCCESSOR’s OF JIHAD第五十五話「覚悟」
FOX2
「ようやくお出ましか・・・・・・。」
無意識にそんな言葉が漏れたが、それも頭上に群がる鋼鉄の巨鳥達、VTOLが轟かせるエンジンの爆音でかき消された。
無線にパイロットの通信が入る。
『遅れてすまない。そいつのほかに敵勢力は。』
そいつ。つい今まで俺と激戦を繰り広げた重音テッドは空中のVTO...SUCCESSOR’s OF JIHAD第五十四話「緊急離脱!」
FOX2
「さぁ、ここからが本番だ!」
その言葉と同時に突き出される、鋭利な刃。
だがそれはこの男の腕、重音テッドから繰り出されるグロテスクな触手だ。
「うおぁ!!」
その腕は思いのほか長く伸び、俺の鼻先で空を切る。
「どうした?お前からは仕掛けてこないのか?」
奴の顔に浮かぶ余裕の笑みが月明か...SUCCESSOR’s OF JIHAD第五十三話「ABANDON ALL HOPE」
FOX2
互いの背中が触れ合い、タイト背後を任せながら、俺は神経を知り巡らし奴の気配を探った。
重音テッドと名乗ったあの男は、俺達の前に姿を現したかと思うと異常な跳躍力で森の中に紛れ込んでしまった。
だが今のところ、奴がどのような攻撃手段を講じてくるのは不明だ。
「デル。俺はこの二人を安全な場所に退避...SUCCESSOR’s OF JIHAD第五十二話「キメラ」
FOX2
闇の中から響き渡った、禍々しい微笑み。
その笑い声を発した主は、まるで空気のように気配だけで木々中からこちらへ近づいてくるのが分かる。
俺とタイトは、寸分の油断なく銃口を気配の方向へ突きつけていた。
「ふふっ・・・・・・。」
木と木の合間から不気味な笑みが漏れ、そこから赤い髪をした男が、...SUCCESSOR’s OF JIHAD第五十一話「月夜語り」
FOX2
全てが停止した。
時間も。風も。ここにいる全ての者たちも。
キクが羅刹の如き奮迅ぶりでABLやテロリストのヘリを破壊した後、世界は、黄金色の月明かりに照らされた夜となった。
あれほど大地を焼き尽くし全てを飲み込んでいった炎は跡形もなく消え去り、ただ荒れ果てた無毛の地の上には、一人の少女が立ち...SUCCESSOR’s OF JIHAD第五十話「内なる何か」
FOX2
突如として転がり込んだその報は、この場所そのものを凍てつかせた。
ここにいると、危ない?
何故?
「キク。どういうことなんだ?何が危ない?」
決して取り乱さぬ口調で、タイトが問いかける。
『てき・・・・・・敵がきてるの。たくさん・・・・・・たくさん。囲まれてるよ。』
彼女の声には、まる...SUCCESSOR’s OF JIHAD第四十八話「紅き巨月」
FOX2
彼女に導かれるまま、俺は板張りの床へ踏み込んだ。
コンクリートや鉄とは違う、素足で感じるのは初めての感触に新鮮味を覚える。
俺と、そしてタイトは縁側に近い、ガラス越しに竹藪が映える客間に通された。
こんな日本家屋でも洋室ぐらいはあるのか。
「ちょっと待ってて。すぐに着替えてくるから。」
...SUCCESSOR’s OF JIHAD第四十七話「本拠地」
FOX2
俺の周りでは、人々が生み出す様々な音で溢れている。
雑踏・・・・・・。
話し声・・・・・・。
笛の音・・・・・・。
太鼓の音・・・・・・。
そして、俺の周り、この商店街には様々な人間で溢れている。
この町独自の祭行事か、法被や浴衣姿の人間が目立つ。
こんな場所にいることは、俺にとって...SUCCESSOR’s OF JIHAD第四十六話「尾行」
FOX2
いつの間にか、窓に映る景色には目が癒されんばかりの緑が覆っていた。
灰色の世界から、いつの間にか緑色の世界に放り込まれたのだろうか。
その緑さえも、時の流れによって朱に照らされそうとしていた。
「そろそろ火窪町です。降りる準備をしてください。」
ため息混じりに運転手が告げる。
そういいな...SUCCESSOR’s OF JIHAD第四十五話「目的の地」
FOX2
・・・・・・。
仄暗い空間の渦中より視界が蘇った。
起床時間も近く、部屋の発光壁は外と変わらぬ光を部屋に行き渡らせている。
俺はベッドから這い上がり充電器のプラグを手首から外すと、スニーキングスーツに着込み、バックパックを取り付けた。
そろそろ時間だ・・・・・・。
レーダー用の端末を見る...SUCCESSORs OF JIHAD 第四十四話「今度は・・・」
FOX2
午後九時十分。
全ての装備を解きヘッドに身を深く沈めると、脱力感としか言いようのない感覚に襲われた。
今日という日に行った任務は、今まで体験したどの訓練よりも意外な出来事だった。
人質は死に、今となっては仲間であるミクやキクに襲われ、ヘリの大軍団を相手にした・・・・・・。
今までに、二十四...SUCCESSORs OF JIHAD 第四十三話「眠れぬ夜」
FOX2