TUCCAの投稿作品一覧
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ゆられて
ゆられて
手放した 全て
わすれて
わすれて
うただけを 残す
そうして ぼくら
人になる一一一
なくした ものを
なくした ことを...cradle
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A(a+a')
この雨が いつになったら止むのか
知りたがっている
剥き出しの首 どこまで行こうか
数え損ねた朝
A(a+a)
指がひとつ 足りなかった頃の 寂しい食事
眠たくて 暖かい砂地に 沈む人々
B
世界の隅の瀑布 音もなく...ラブカ
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A
はじまりは いつも空虚
光だけが貫けるほどの 穴
だから神様は見てないよ
踊ろう 朝が来るまで
A+B
僕たちは夜を歌う
時間が止まる、幸福なだけの夜
だから神様が創られた
光で焼かれてしまう...ひかり、いのち
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A
寝ぼけた朝があった
黄金は山並みに腰かけて 闇を摘まむ
世界の栓を抜いても
底に残るような倦怠を歩いていた
B
昨日の誰かの言葉 誰かの視線に
磔にされて どれだけ褪せても見える
今日は少し 北に行くのさ
まだ 動かない足のため...蛙たちの忌日に
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A
また 夢を見た
飴色に傾く街を 駆け抜ける雲
カーテンコールの夕立
それを破って来る君を
A
「終わりにしよう」
動けずに浮けずに僕は 夢の畔で
カーテンコールの迎えを
今日とて待っていたのにな...明滅
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A
何か 思い出している気がする
眠りに落ちる その瞬間
いつか 会わなけらばならない人
今はまだ目を合わせるだけ、で
B
ねえ 幸せだとか 不幸せだとか
そんなことより ずっと 遠くへ行こう
S
生涯ずっと鮮やかな風景を...感光
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『まんぼう』
我々は一頭のまんぼうだ
ぷか ぷか 浮かびながら
どこにも 行けない
我々は一頭のまんぼうだ
いつしか 泳ぐことも
忘れた 我々
石塔の上を 陽が差し掛かり
遠く素馨の ささやかな香り
どれほどの痛みに...『まんぼう』
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A
ふらふら 歌い出す
おぼろげな呪文 唱えて
ゆらゆら 今日は何処
疑問符を隠し 囚われ
割れた夕景
B
今 背景とクロール
張りつめた不協和音
指を折り 呼んで 誘う...さっきまで風がいた場所、ふっと通り過ぎて
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A
あなたは そのあと を
いくつ もっていますか
街のはて メルヘンのつづき
A
あなたは そのあと を
いくつ あげられますか
死んだあと 悲しみのむこう
B
そこに行けない から...あとのうた
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A
ほうる
ほうる フラワー
きみ の うえ
こおる
こおる ひかり
ふゆ の うら
もとのように
ねがい かけられない
ね...Suiren
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A
クローゼットは その役目を終えて
ぼくを夜に沈める
今は 何を隠してるのかい
あれから黙ったままの 君も
A
思い出してしまうのは きっと
切なさを求めてしまうから
傷をつけた心が ぼくを
証明してくれている気がして...明日を待ちながら
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A
月が出てから 捗々しい雨を聞いて
あれから 昼夜のように 巡る季節
忘れられない 積もるばかりは夢
ここが月の上
B
今日も芙蓉の また咲くように
嫌いな人を 訪ねよう
S
言葉だけなら 嘘がつけるでしょう...月時間
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夜明けに
『季節が溜まっていくから』
季節が底に溜まっていくから
僕らは曖昧な返事しか出来ないんだ
海蘭を一つ摘んだ
波のまにまに 遠くへ
季節が底に溜まっていくから
俄に知らない場所に行きたくなるんだ
太陽を少し待った
白いシャツも 懐かしく...夜明けに
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A
写し取る 風景に
僕のこころは あるか?
映し出す 憧憬は
僕のこころの かけら
B
降り落ちる 雨が
空のいろを 少し持っているように
流れ出す 言葉
幸せの いろに なりますように...【作曲者募集】picture
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A
悲しみは 空っぽな部屋に詰め込めるだけ
幸せな 夢なら 両手で掬える数だけ
B
心を 悲しみで満たせば
変わらない朝日が また 美しいから
深い悲しみに潜れば
変わっていく景色も 澱みの向こう
S
独りの食卓に 君を見ながら...A Cup of Sorrow
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『幕が下りたら』
舞台の上で 光の中で のみ
共にいられる事を知っている
物語だけが 僕らをつないでいるから
瞬間 僕らは二人になって
幕が下りたら 闇の中へ帰って
お別れ
舞台の上で 腕の中で いま
きみの柔らかな身体が滑る
物語ならば 二人に歌が降り注ぐ...幕が下りたら、ほか
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A
浅はかな夢が沈む 川の行方を見ていた
家は遠く 空も遠く
何も無いが美しく 緑青の転がる午後
言えば遠く 言えば遠く
B
視界の外を 音立てて汽車がゆく
空の果まで飛んでゆく
S
歌は 空を流れて 僕は 溶けて横たわる...知らない川辺で
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A
もしも きみがいなくなったら
海の見える丘に 家を建てるよ
かなしくなった夜には 水際に降りて
息を吸っては 満肺の星に泣こう
B
一人の世界は たぶん
いつも 溺れかけたまま
真冬の波に流れて そっと暖かい底へ
S...息継ぎ
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ミュージアム、二篇
「ミュージアム」
A-B-C-A-C'
ぴたり 僕は鏡の上に 足をつけては
大理石は 冷たくなりきれない 氷河
ああ 飾るには まだ 早いかな
忘れたくない感動が もう沢山あるのにな
誰もいないミュージアムを歩く
ここは全部 無題ばかりのパレード
誰もいないミュージアムを歩く...ミュージアム、二篇
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A
街の隅に 吹き溜まる僕の手足は
粛々と 明日への準備を進めて
温くなった 浴槽の水が纏わる
この夜は どれだけ長くてもいいよ
A
くもる窓に 不安定な願い映して
その影が 帰ってゆく音が聞こえる
囁き出す 散らばった夢の粒子に
月明かり 浸りたかった詩集を閉じる...二月のこと
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Herald
雪は止み 真白に燃える
魂の帰り着く夜半
揺れる 静寂 ひとつ
青く 溪の空気は密か
悴む葉で 木立は 騒めき合い
白く足跡は闇へと消えーーー
おお わたしは
おまえに 会いたかった
吹き過ぎる夜風が...Herald
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A
焦燥 枯れた幻燈らは歌う
木枯らし 揺蕩に枯れた鐘の音
剥落 ここに吹き曝しのわたし
突き刺し 行旅は濡れた砂だ、ね
B
抱擁 灰色の夜明け いと高きところへ
燃え出す秋霜と 煤け、今は亡き春の手
S
花散らす風 前に 花抱く恋 思う...【作曲者募集】farewell
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A
窓の桟
積もる埃を 吹いた ああ
月の光が こんなにも
冷たくなったようなのは
いつからでしょう
A
夜がまだ 何か言っても
今日は もう
疲れてしまったようなんだ...【作曲者募集】眩しい様な
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fail.
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fail.
fail.
take fruits.
it's time to go.
blue jug.
fail.
夢が流れる。
裸足の夢。...fail.
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雨に秘密
A
雨が降るほど 乾いていく心を
空のバスタブ 呟いた言葉
残響と
さして僕らは 傷ついちゃいないと
軋むレコード 項垂れた言葉
反証を
B
水を注してよ...【作曲者募集】雨に秘密
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『どの星にも、額を』
一、
昼過ぎ 降り注ぐ 音
空は融けて 垂れ下がった 青に
鳥も 木々も
呼吸さえ みんな 溺れようとし
電信柱の 影に 眠る藍靛や
遠く 燻る ざわめきなど
(どこへ行く その ちぎれ雲)
わたしの 中に 逃げ込んだものは...『どの星にも、額を』
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樒 呼ぶ枯れた意味に
ほのか開き 朝のうた
気層を梳く 八月の夢みたい
再び逝くさ
鶲 克明な雨から
月の底が見えたなら
気層を裂く 藍冴えて
ひとり咲く
再び逝くさ
萱は掠れ...月を見つけた
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冷めた気球は 夢の隣に いつも
繰り返し 頷くだけの 漏斗と
初め呼吸は 錆びた街角のよう
皆 乞うに 思い出すため 航路を
うつろい うつろう 頓に晦ます奉賛 対 曖昧
梔子 砂場に脆い姿と相殺? 浮体 チムニー
うつろう うつろい 夜が再び崩壊しないように
揺り浮き 流離う さよならだけの本懐を...Retro
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まっさらな顔をして
ぼくの前に立つ
風は 人々の心を掻き回して
ひとつの 虹色を作った
端正な顔立ちで でも
もう ここにあるものは
見えていない顔で
そっぽを向く彼は
"さよならを言う前に"
と言った そして...たずねる
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瞼の裏に張り付いた、
目下、
いちめんのみどりだ!
同時多発的な、
透き通った青の、
微かに擦れ合う音!
ささやき、ささやく、ささやけ
一週間ぶりの、生だ!
わたしは、
ここで息を吹き返した!...!
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青ざめた風景の下で
わたしは あくまでも
間奏曲であった
日常から
滑り落ちていく
微かな影さえ
わたしの痩けた
頬を掠めて
帰っていくばかり
よろめいて...間奏曲
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絡まるイド
の延長線上には
再びさんざめく
衝動的膾炙と
夕陽
再び完成する
ことのない歴史に
遍在する
私たちの羽撃き
を縫い繋ぐ...取り交わされる赤
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一、
わたしたちは 歌おう
歌っていよう しばらくは
回り出した風見鶏の 視線を追う
風の色は新しくて わたしたちをそっと揺らす
心は どこまでも 軽くて 風に乗る
わたしは がらんどうの風船として
知らない 風景に行きたい
二、
旅装は どれも 真新しいものにしよう...十篇の詩による「風の旅程」
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A
くわえた硝子が鋭いので、
くるめいた今より鮮明な、
歌えば歌うほど透明な、
春の匂いの中にいたっけな。
すぐ皺を増やし朽ちていくような、
記憶などは追い越していくような、
未来さえ追いつけないくらいの、
いつかまやかしと知るスピードだ、
Ah…...【作曲者募集】スピード、忘れ物、春の空、遠く
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明日を待ちながら
A
クローゼットは その役目を終えて
ぼくを夜に沈める
今は 何を隠してるのかい
あれから黙ったままの 君も
A
思い出してしまうのは きっと
切なさを求めてしまうから
傷をつけた心が ぼくを...【作曲者募集】明日を待ちながら