タグ「鏡音リン」のついた投稿作品一覧(94)
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「そうなの?こんど、ミクさんが絵本を作るの?」
ルカさんはそういって、ミルフィーユをひとくち、口に運んだ。
「ええ、そうなんですよ」
コヨミ君はうなずいて言った。
「それも、絵本といっても、4コママンガと絵本をミックスしたみたいな、です」
「へえ、面白そうね」
ルカさんは、にっこりと笑った。
ルカさ...玩具屋カイくんの販売日誌(305) はねっ返りのトートバッグ
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リンちゃんとみおちゃんが話をしていると、向こうに座ってる他のメンバーが、
話をやめてこちらを見ている。
「ちょっと、今のこと話してみるね」
そういってみおちゃんは、席を立った。
リンちゃんは、手元のウーロン茶をコクリとひと口飲んで、考えた。
「うーん。もし彼女たちが、ミクさんの絵本に出るとなると.....玩具屋カイくんの販売日誌(304) エンタメと、サブカルと、絵本!?
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居酒屋「たまかね」の席は、ほぼ満席だ。あちこちで、声高に話す声、談笑する声がさざめいている。
その、ちょっと奥まった場所のテーブルに陣取っている一団。
「キステン」の、スタッフとメンバーの打ち上げの飲み会が、行われていた。
さっきまで、大勢の観客の歓声で、にぎわっていたライブハウス「マルクト」、
そ...玩具屋カイくんの販売日誌(303) 「キステン」と、リンちゃん!
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こんど作る、絵本の中に、2つのガールズ・バンドを登場させてはどうか...。
ひらいさんのそんな提案に、コヨミ君は首をかしげた。
「“シグナル”のほかに、“キステン”も出すんですか? なぜ?」
ひらいさんは、にっこり笑って言う。
「リンちゃんのいる“シグナル”は、高校生のアマチュア・バンドよね」
「え...玩具屋カイくんの販売日誌(302) 絵本でバンドが、“対バン”!
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「このバンドが出る、絵本のお話だったら、面白くなりそうね」
彼女は笑って言った。
出版プロデューサーとしてのカンが、そう思わせるのかも知れない。
「ですよね。僕も期待しているんです」
コヨミ君は、笑顔でうなずいた。そして、続けた。
「絵本を通じて、ひらいさんも今後、音楽やバンドとの関わりが、増えられ...玩具屋カイくんの販売日誌(301) バンドが活躍!絵本がスタート
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「アリガトー!」
女の子たちが叫ぶ。
「ワァーッ」という、すごい歓声が、ステージに向かって押し寄せる。
ホールの壁ぎわで、その様子を見ながら、ひとりの女性がつぶやいた。
「ふーん、すごいものですね。ガールズ・バンド...。元気、いいですね」
その横で、青年があいづちを打った。
「そうでしょう。ひらい...玩具屋カイくんの販売日誌(300) バンドが、絵本の主人公!
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ミクさんは、カップの紅茶を一口飲んで言った。
「そうねぇ、でも、やっぱり普通の“絵本”から、作って行こうかな」
「そうするの?」
彼女はうなずいて、手元のノートを閉じる。
「うん。協力してくれるところもあるし。コヨミさんがらみの絵本の出版社なんだけど」
テトさんも、コーヒーを飲んでうなずいた。
「そ...玩具屋カイくんの販売日誌(299) ミクさんの絵本、スタート
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「いろいろ、工夫できそうね。でも、どんなキャラが出てくるの?」
テトさんが聞く。
「うん、やっぱり今回もリンちゃんを出していくんだ。彼女のやってる、バンドをネ」
ミクさんは言う。
「バンドかぁ。彼女のやってるガールズロックのバンド?」
「そうそう。リンちゃんの“シグナル”ね」
“シグナル”は、リンち...玩具屋カイくんの販売日誌(298) ウェブ絵本、ウェブ4コマ?
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「絵本? ウン、わたし大好きだよ」
テトさんはうなずいて、アイスコーヒーのグラスを口に運んだ。
「だよね。絵本の、コレクションもしてるって聞いたから」
ミクさんの言葉に、彼女はちょっと恥ずかしそうに笑った。
「そうなんだ。結構、かわいい絵本を集めるの、好きでさ」
グラスに軽く両手を添えて、テトさんは...玩具屋カイくんの販売日誌(293) 絵本の新シリーズ!
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「いろいろ、なんか、お世話になりました!」
サナギちゃんとリンちゃん、そして駿河ちゃんは、ドアの前で、ツクヨミ少年たちに挨拶をする。
ニコニコ笑いながら、3人を見送る moonlit の人たち。
なにやら不思議な、あれこれがあったが、一件落着かな。
リンちゃんは、元気になった友達を見ながら、そう思っ...玩具屋カイくんの販売日誌(292) はっちゅーね新展開!?
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「あれ、リン。駿河さん。あたし、なんで?ここに。あ、そっか」
なにやら、ぶつぶつとつぶやきながら、サナギちゃんは部屋を見回して言った。
「そうか、ここ、ツクヨミ君のいる会社だね」
リンちゃんは、彼女に向かって言った。
「そうだよ。サナギ、あんたこの頃、ちょっとヘンだったよ」
「なんで?」
2人は、言...玩具屋カイくんの販売日誌(291) 「ツクヨミ少年とツクヨミ様」
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駿河ちゃんは、小さく「え?」と声を上げた。
「ちょっと、リンちゃん、これ。見て」
うなずきながらリンちゃんは、顔を近づけてビンの中を見る。
リンちゃんも、同じものを見ていたらしい。
そして、顔を上げて、部屋の隅に座ってこっちを見ている、サナギちゃんを見た。
「リン。どうしてここにいるの」
軽く、手を...玩具屋カイくんの販売日誌(290) 「小ビンとサナギちゃん」
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ツクヨミ少年は、ベニスズメさんと少し会話を交わして、
リンちゃんと駿河ちゃんを招き入れるように、一室の中に入れた。
さほど広くない部屋には、壁に向かっていくつかの机と机が置かれていた。
「あ、サナギ」
室内を見渡して、リンちゃんはつぶやいた。
端にある机の前の椅子に、目をつぶってサナギちゃんが座って...玩具屋カイくんの販売日誌 「透明な小ビン」
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それを聞いて、リンちゃんの好奇心がムクムクと湧き起ってきた。
「あのー、もし良かったら、会わせてもらえませんか。そのツクヨミさんに」
リンちゃんの言葉に、ベニスズメさんは目を見開いた。
「え? ええ、いいですよ。でも...」
口ごもる彼女に向かって、くったくのない笑顔を見せるリンちゃん。
「平気です...玩具屋カイくんの販売日誌 meet the ツクヨミ少年
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リンちゃんをモデルにした、はっちゅーねシリーズの人形、“リンリン・はっちゅーね”。
いま、売れ行き好調なこの新商品。
そして、リンちゃんとサナギちゃんが登場する、PV(プロモ・ビデオ)の制作をしたのが、月光企画だった。
そのビデオを作っている最中に、はっちゅーねの生みの親であり、ライセンスを行うミク...玩具屋カイくんの販売日誌 (287) あの夜の出来事!?
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古いマンションの一室に、いま、サナギちゃんがいるという。
リンちゃんは聞いた。
「あそこ、月光企画の部屋なんですか」
「ええと、その“関連会社”なのよ。Moonlit(ムーンリット)ってうんです」
続けて、駿河ちゃんは尋ねた。
「いま、サナギちゃん、そこで何をしてるんですか?」
ベニスズメさんは答え...玩具屋カイくんの販売日誌 (286) 月光企画、ベニスズメさんの話
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2人は、建物を見ながら、ベンチで話し合った。
「なんとなく、後をつけてきちゃったけど。何でもなかったら、どうしよう」
リンちゃんは、口をとがらせてつぶやく。
「わたしら、ただのストーカーだよね。そうだったら」
駿河ちゃんは、言う。
「でも、私とリンちゃんが2人とも、“何かある”と感じてるんだから.....玩具屋カイくんの販売日誌 (285) サナギちゃんは大丈夫 (ささげものの攻防 27)
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しばらくすると、向こうを歩くサナギちゃんは、古い建物のなかに入っていった。
まわりには、住宅地が広がり、近くには川も流れている、静かな一角だ。
「なんか、ずいぶん古そうな建物だね」
リンちゃんの言葉に駿河ちゃんもうなずく。
「この町に、こんな建物があるなんて、知らなかったよ」
それは、3階建てのマン...玩具屋カイくんの販売日誌 (284) サナギちゃんと古い建物
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街中の尾行なので、なかなか隠れるところが少ない。そこで...。
まっすぐな道の時は、十分に距離を取る。
そして、相手が角を曲がったっときに、その角の手前まで急ぐ。
そんな感じで、リンちゃんと駿河ちゃんは、後を追い続けた。
それでも、だんだんとサナギちゃんとの距離が出はじめている。
見晴らしがいい道な...玩具屋カイくんの販売日誌 (283) 彼女を操るやつ
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ずっと続く通りの向こうのほうに、サナギちゃんの背中が見える。
「行こう」
駿河ちゃんは言って、歩き出した。その少しあとを、リンちゃんが続く。
「ねえ。なんで駿河さんがここにいるの?」
彼女の姿を見失わないようにしながら、会話をする。
「あなたがコヨミさんへメールしたでしょ。それを聞いて。ま、後で説明...玩具屋カイくんの販売日誌 (282) 真昼の尾行
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「ねえ、お昼一緒に食べようよ」
昼食の時間。リンちゃんは、彼女の教室で座っているサナギちゃんに、入り口から呼びかけた。
「え?うん。いいよ」
彼女とリンちゃんは連れ立って、校舎の裏手の小さいベンチに腰かけた。
ふだんはリンちゃんは、クラスの友達と騒ぎながら、お昼の弁当を食べる。
一方、サナギちゃんは...玩具屋カイくんの販売日誌 (281) 追跡、開始!
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水曜日。
久しぶりに、学校に出てきたリンちゃん。
きのうはゆっくり眠れたし、家でレン君にいろいろ話しができて、気分的にもやっと落ち着いている。
「リン!元気?」
「ありがと」
「もう、風邪はいいの?」
「だいじょぶだよ。サンキュ」
声をかけてくれるクラスのみんなに、笑顔を見せる。
たいくつな古文の授...玩具屋カイくんの販売日誌 (280) 学校に来たサナギちゃん
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「ツクヨミの話になると、アナタは目の色が変わるのね」
ニガ笑いしながら、紙魚子さんが、レイムさんに向かって言う。
「そういう訳じゃないけど。でもね」
レイムさんは、人差し指を立てて言う。
「今回、ミクさんの“リンリン・はっちゅーね”の仕事が無くなった事。それは、ツクヨミの月光企画にとって、かなりな“...玩具屋カイくんの販売日誌 (278) はっちゅーねは、「育てる」もの
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みんなは、ミクさんのカバンについた人形を見つめる。
「不思議ですね。実はボクのとこにも、そういうメールが届いたんですよ。地下鉄に乗ってたら」
「そう、それで、バスに乗り換えたワケね」
暦君のことばに、紙魚子さんがうなずく。
「ここ、わたしたちの方では、人形がしゃべって...。暦さんの方では、メールの...玩具屋カイくんの販売日誌 (277) よからぬ力?
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ミクさんは、ぽかんとした顔で、レイムさんを見つめた。
「なんだか、不気味ねえ。ねえ、でも、サナギちゃんは、大丈夫なのかな」
そういって、腕時計に目をやる。
そして、ニガ笑いをしながら、紙魚子さんに向かって言った。
「きょうは、この話のほかに、これからの別の仕事のアイディアの、相談もしようかと思ってた...玩具屋カイくんの販売日誌(271) 行かない方がいいよ
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何度かの着信音の後に、「はい」と、リンちゃんの声がする。
「あ、リンちゃん」
ミクさんは話しを始める。
「そう、そうなの。うん、よかった」
うなずきながら、ホッとした表情になる。
「そう。でも、え?...うん、え?そうなの?」
スマホを耳に当て、ちょっと怪訝そうな表情になる彼女。
彼女の前で聞いてい...玩具屋カイくんの販売日誌(270) ちょんと切るぞ
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ミクさんは、聞き直した。
「ツクヨミ?」
「うん。社長より、エライ奴らしい。会長だか、名誉会長だか」
レイムさんは、意気込んで言う。
「じゃ、その人が、会社を仕切っているってワケね。月光企画を」
ミクさんが聞く。
すると、紙魚子さんが口をはさんだ。
「なんか、謎のヤツなんだよねー」
彼女は、かけてい...玩具屋カイくんの販売日誌(269) 月光企画の ツクヨミさん
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その時、部屋のドアを「トントン」とノックする音が。
「はぁい」
答えながら、紙魚子さんがドアに向かう。
部屋をのぞきこむように立っていたのは、レイムさんだった。
「ミクさん、こんにちは」
「お久しぶり、レイムさん」
椅子から立ち上がって、笑顔になるミクさん。
2人は、デフォ子さんがここに居たころに、...玩具屋カイくんの販売日誌(267) レイムさんの “カン” 冴える
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「レイムさんはね、妙に“カン”がするどいというか、ちょっと変わってるの」
紙魚子さんは、メガネを指で直しながら言った。
ミクさんは、笑って言う。
「うん。でもね、私もそういう“オカルト”っていうのかな? それを信じてる、っていう訳じゃ、ないの」
そういうと、ちょっと目を斜め上に向けて、考えながら言っ...玩具屋カイくんの販売日誌(266) “はっちゅーね”をめぐるアレコレ
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ミクさんの作った人形のブランド「はっちゅーね」。
その新製品のまわりで、何やら不思議な出来事が起き始めている...。
そんな予感をミクさんは抱いていた。
その思いを、彼女はいま目の前にいる紙魚子さんに、ぶつけてみることにした。
「原因が、ミクさんに?」
メガネをひとさし指で上げて、紙魚子さんは聞き返...玩具屋カイくんの販売日誌(265) 以前に、ひどい目に...
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「向こうの世界...?」
ミクさんはつぶやくように繰り返して、考え込む表情になった。
紙魚子さんも、何かを考えているようだった。
少したって、2人はほぼ同時に口を開いた。
「それで」
お互い、目を見合わせた。
ひと呼吸おいて、ミクさんが切り出す。
「きょう、ここにお邪魔したのも、そのことを伺おうと思...玩具屋カイくんの販売日誌(264)
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月光企画という会社について、話し始めた紙魚子さん。
明るい日差しが窓から差し込んできて、おだやかなひと時だった。
でも、話の内容は、それとは似合わない、ちょっと不気味なものになった。
「いろんなとこで、今までよく、聞いてきたのよ。“神隠し”が起こるってこと」
メガネの奥の大きな目をしばたかせて、彼女...玩具屋カイくんの販売日誌(262) 彼女の行方
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「サナギが、行方...不明」
「そうなんですよ。バンドのみんなで、連絡を取ろうとしてて。ちょっと用事があってね」
コヨミ君は、困ったような声で言った。
「でも、昨日からどこにいるのか、わからないんだ。家にも、帰ってないみたいだし」
立ちつくすリンちゃん。コヨミ君は言う。
「何かわかったら、連絡します...玩具屋カイくんの販売日誌(261) 起こっちゃった!?
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通話の向こうで、ミクさんまであわて出したようなので、リンちゃんは変だな、と思った。
「そうね、紙魚子さんに聞いてみよう。何か、わかるかも」
ミクさんの、つぶやくような声が聞こえた。
リンちゃんは、聞いてみた。
「あのー、サナギが、どうかしたの?」
「うん」
はっきりとは答えずに、ミクさんは言った。
...玩具屋カイくんの販売日誌(260) リンちゃんは無事だ!
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けわしい表情のベニスズメさんは、リンちゃんの方を振り返って、言った。
「仕事、長いあいだ、お疲れ様でしたね。リンちゃん。気をつけて帰ってね」
そして、あたふたとホテルの部屋を出て行ってしまった。
ひとり取り残されたリンちゃんは、しばらくポカンと、ベッドの縁に座ったままだった。
さっきから、手に握った...玩具屋カイくんの販売日誌(259) ささげものの攻防