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注意書き
これは、拙作『ロミオとシンデレラ』の外伝です。
外伝その二十三【メイコの思案】に登場した、キヨテルの過去エピソードです。
なお、このエピソードは本編からは完全に独立していますので、単独で読めると思います。
重めの話となっていますので、そういうのが苦手な方は読まないことをお薦めしま...ロミオとシンデレラ 外伝その二十八【やまない泣き声】前編
目白皐月
私を異界の悲劇のプリンセスにしないで
ここから連れ出して…… そんな気分よ
妹におやすみなさい せいぜいいい夢を見なさい
「勝利よ あなたのじゃないけど」
むせかえる魅惑のカラメル 背徳の麻薬を絡める
今夜はどこまで行けるの?
噛みつかないわ 優しくする 苦いものはまだ嫌いなら
私の作るお菓子ばかり...【ロミシン替え歌】サタンとヘラクレス【ナルニア白い魔女風味】
上尾つぐみ
大学で何を勉強するのかはかなり悩んだけど、ここニューヨークは舞台の本場だけあって、演劇に関しては教える方も一流だったりする。舞台への強い興味を捨てきれず、俺は演劇を専攻することにした。つぶしがきかないわよ、と、母さんには散々言われたりもした。でも、やりたいことに思い切りぶつかるのもいいかもね、と、...
アナザー:ロミオとシンデレラ 第六十八話【君がくれた手紙】
目白皐月
ひどい目にあった次の日、わたしは、お父さんの罵声で目を覚ました。
「リン! お前、どこへ隠れた!?」
わたしは、文字通り飛び起きた。隣では、やっぱりこの声で起こされてしまったらしいハク姉さんが、驚いて目を見開いている。
「出て来い! この、ろくでなしめ!」
思わずベッドから出ようとしたわたしを...ロミオとシンデレラ 第七十六話【泣かせてください】
目白皐月
「あたしの人生は何だったんですか。あたしの時間は何だったんですか」
ホテルの部屋に戻ってからも、ハクちゃんはずっと泣いていた。……こうなることはわかっていたけど、やっぱりしんどい。いや、わかっていたっていっても、予測したパターンのうちの一つってことで、その中では比較的対処のしやすい結果になったんだ...ロミオとシンデレラ 外伝その二十七【荒療治】後編
目白皐月
「今日は営業は無理そうね」
ショウコさんはそう言って、店の入り口に「臨時休業」という紙を貼りに行ってしまった。ハクちゃんが、マイコ先生の方を見る。
「マイコ先生、ママがここにいるって知ってたんですか?」
「……まあね。ハクちゃんのお母さん、元モデルでしょ? 業界の知り合いに片っ端から声かけて見たの...ロミオとシンデレラ 外伝その二十七【荒療治】中編
目白皐月
注意書き
これは、拙作『ロミオとシンデレラ』の外伝です。
メイコの視点で、本編では第七十二話【滅びにいたる門は大きく】より、一ヶ月ぐらい前の時間軸となっています。
なお、この話はメイコとハクが中心となるため、そこまでの本編を読了し、外伝二十四【母の立場】までの二人の登場する外伝を読んでから、...ロミオとシンデレラ 外伝その二十七【荒療治】前編
目白皐月
注意書き
これは、拙作『ロミオとシンデレラ』の外伝です。
ルカの視点で、本編四十六話【イン・コールド・ブラッド】のサイドエピソードになります。
よって、本編をそこまで読んでから、読むことを推奨します。
【悪いのはあなた】
神威さんの家族との食事会があった次の日、私は買い物に出かけることに...ロミオとシンデレラ 外伝その二十六【悪いのはあなた】
目白皐月
ずいぶんと時間が経過したように思えたけど、実際はそうでもなかったんだろう。とにかく警察がやってきて、ソウイチさんは連行された。もう大丈夫と言われたので、わたしとハク姉さんも部屋の外に出る。わたしの姿を見たお母さんは、蒼白になって駆け寄ってきた。
「リン!」
わたし、きっと、ひどい姿なんだろう。鏡...ロミオとシンデレラ 第七十五話【生と死の狭間で】後編
目白皐月
その日の夕食、わたしが一階に降りて行くと、ソウイチさんとやらはまだ居た。……帰ったと思ったのに。どうしてまだいるんだろう。
わたしは不快な気分で、食卓についた。お客さんがいるからか、食事の内容が普段より凝っているし、食器も上等なものだ。……きっと、お父さんがそうしろって言ったんだろうな。そうまで...ロミオとシンデレラ 第七十五話【生と死の狭間で】前編
目白皐月
注意書き
これは、拙作『ロミオとシンデレラ』の外伝です。
カイト視点で、外伝その二十四【母の立場】の直後の話となります。
したがって、それまでの話を読んでから、お読み下さい。
【それぞれの形】
なんであんなこと、言っちゃったんだろう。
めーちゃんからの電話を強引に終わらせた後、僕はひた...ロミオとシンデレラ 外伝その二十五【それぞれの形】
目白皐月
お父さんがわたしに縁談を持ち込んで来てから数日、お父さんはわたしに何も言って来なかった。もっとも、何も言って来なかった、というより、ほとんど顔をあわせなかった、の方が正しいのかもしれない。例によって帰宅が遅いし……。わたしの方も、家にいても仕方がないので、一限から講義がない日でも、その時間には学校...
ロミオとシンデレラ 第七十四話【目は独りでに物を見る】
目白皐月
「巡音さん、大変よくできていますよ」
大学の先生はそう言って、わたしが渡した原稿を置いた。
「ありがとうございます」
「じゃあ、これ、次の分ね」
どさっとプリントが渡される。わたしはそれを、自分の鞄に仕舞った。
「できたら来新学期が始まるまでには仕上げてもらえる?」
わたしはかかる時間を計算し...ロミオとシンデレラ 第七十三話【わたしの望みは大きすぎるの?】
目白皐月
わたしが大学に入学した年の六月、ルカ姉さんはガクトさんと結婚した。こっちの家に入る形になるので、ガクトさんの方が巡音の姓を名乗ることになる。
こういう家だから仕方がないけれど、大きな式場で、かなり派手な式になった。そしてお母さんに訊いてみたのだけれど、ルカ姉さんは結局、式に対して自分の希望は全く...ロミオとシンデレラ 第七十二話【滅びにいたる門は大きく】
目白皐月
ニューヨークでの新生活は、想像していたのより大変だった。幸いなのは、新学期が九月からとのことで、それまではちょっとだけ、こっちに慣れる余裕があったということ。もっとも、それでもやることは山積みだったが。
転入試験も無事合格し、九月からはこっちでの高校生活が始まった。日本とこっちでは学校のシステム...アナザー:ロミオとシンデレラ 第六十七話【どこにいても君の姿が】
目白皐月
次の週から、わたしは学校に戻った。当然、レン君は登校して来なくて、わたしは淋しさを感じずにはいられなかった。いつもなら、わたしが登校してしばらくすると、レン君が登校してきて「おはよう」って声をかけてくれるの。
「リンちゃん、大丈夫?」
必死で我慢しているわたしに声をかけてくれたのは、やっぱりミク...ロミオとシンデレラ 第七十一話【別れて会えないのは辛いこと】
目白皐月
レンは無事にリンちゃんに指輪を渡して、戻ってきた。……指輪以外にも色々あったみたいね。本人は語りたがらなかったけど、表情を見ていると察しがつく。ああやれやれ、私、なんでここまで気を回してるのかしら。
金曜にカイト君を呼んで食事をする旨を伝えると、母さんはかなり驚いていた。でも、反対はされなかった...ロミオとシンデレラ 外伝その二十四【母の立場】後編
目白皐月
母さんと私はそれから何度も打ち合わせをして、その上でレンに話をした。当然激しい反発が返ってきたけど、最終的にはなんとか、レンにこの話を納得させることができた。
ただレンの方も条件を出してきた。それは、リンちゃんに直接、この話をすること。でなければニューヨークへは行かないというのだ。私は困って、ハ...ロミオとシンデレラ 外伝その二十四【母の立場】中編
目白皐月
注意書き
これは、拙作『ロミオとシンデレラ』の外伝です。
メイコの視点で、『アナザー:ロミオとシンデレラ』第六十三話【真実が充分ではない時がある】~第六十六話【分かれた道】のサイドエピソードとなっており、また、外伝二十三【メイコの思案】の直後の話となっています。
したがって、【分かれた道】、...ロミオとシンデレラ 外伝その二十四【母の立場】前編
目白皐月
ずっとリンと抱き合っていたかったけれど、そういうわけにも行かない。明るくなったら、誰かに見つかりやすくなってしまう。だから、俺は暗いうちにリンの家を出ることにした。
脱いだ服を身に着ける俺を、リンは泣きそうな表情で眺めていた。そんな顔しないでくれ。
「リン、俺はもう行くよ」
引き伸ばすと、余計...アナザー:ロミオとシンデレラ 第六十六話【分かれた道】
目白皐月
夜が明ける前に、レン君は帰り支度を始めた。それは仕方がない。明るくなったら、見つかりやすくなってしまうもの。でも……やっぱり淋しい。
身支度をするレン君を眺めながら、わたしは必死で涙を堪えた。こんなところで泣いたりしたら駄目だ。そう思うものの、気持ちは治まってくれない。これから、長い間会えないん...ロミオとシンデレラ 第七十話【朝を告げるヒバリ】
目白皐月
安心させたところにこんな話をして、大丈夫だろうか……。でも仕方がない。もともと、この話をするために来たんだ。
「……家族と話し合って決めたんだけど、俺、しばらく母さんとニューヨークに行くことにした」
俺の言葉を聞いたリンは、驚いた様子で顔を上げ、こっちを見つめた。
「そんなのおかしいわ。レン君は...アナザー:ロミオとシンデレラ 第六十五話【夜は恋人たちのものだから】後編
目白皐月
二日後の水曜日、俺はハクさんに教えられたとおり、リンの家にやってきた。初めて見るリンの家は、初音さんの家に負けず劣らずの豪邸だった。
すごい家だけど……リンを閉じ込めている茨の城でもあるわけか。ここから、リンを出してやれないのが歯がゆい。
俺は息を大きく吐くと、家の裏手へと回った。ハクさんの言...アナザー:ロミオとシンデレラ 第六十五話【夜は恋人たちのものだから】前編
目白皐月
あ、レン君の話はまだ途中だったんだ。わたしったら、自分のことにかまけてばっかり。
「ええ……ごめんなさい、遮ってしまって」
わたしがそう答えた後、レン君はまたしばらく黙っていた。言いにくい話みたい。安心したのに、また心の中に不安が広がっていく。
「……家族と話し合って決めたんだけど、俺、しばらく...ロミオとシンデレラ 第六十九話【まだ諦めてはいけない】後編
目白皐月
閉じ込められてから、何日が過ぎたんだろう。毎日がほとんど同じ様子で過ぎて行ったので、わたしはだんだん、時間の感覚がわからなくなりつつあった。この部屋には、時計はあってもカレンダーは無いし。
わかったところで、意味はないのかな……。わたし、もしかしたら、もうここから出られないかもしれないんだ。こん...ロミオとシンデレラ 第六十九話【まだ諦めてはいけない】前編
目白皐月
あ、そうだ。ついでだからもう一つ。
「ごめん、もう一ついいかしら? 児童虐待って、どこに通報したらいいの?」
ハクちゃんは、リンちゃんのお父さんはリンちゃんを閉じ込めてるって言った。場合によっては、虐待で通報できるかもしれない。
「え……どこって……児童相談所、じゃないかな」
「基本は児童相談所...ロミオとシンデレラ 外伝その二十三【メイコの思案】後編
目白皐月
注意書き
これは、拙作『ロミオとシンデレラ』の外伝です。
『アナザー:ロミオとシンデレラ』第六十二話【マネシツグミを殺すな】と第六十三話【真実が充分じゃない時がある】の間の話となっています。
したがって、『アナザー:ロミオとシンデレラ』を【真実が充分じゃない時がある】までと、外伝【アカイの想い...ロミオとシンデレラ 外伝その二十三【メイコの思案】前編
目白皐月
注意書き
これは、拙作『ロミオとシンデレラ』の外伝です。
外伝その七【ある日のアクシデント】の直後の話で、お手伝いさんたちの会話のみで構成されています。
なお、本編第六十五話【育ちは誰よりも上】までのネタバレを含みますので、そこまで本編を読了してから読むことを推奨します。
【スケルトン・イ...ロミオとシンデレラ 外伝その二十二【スケルトン・イン・ザ・クローゼット】
目白皐月
ニューヨーク行きの話が出た翌日、俺が学校から帰ってくると、意外な人がいた。
「初めまして」
「え?」
相手の顔を見て、俺はびっくりして声をあげた。……写真で見ただけだけど、この人は知っている。リンのお姉さんだ。
「ハクさん、ですよね? 引きこもっているって、聞きましたけど」
「あ、うん。今も表向...アナザー:ロミオとシンデレラ 第六十四話【君に続く道】
目白皐月
数日が経過した。俺が巻き込まれた――この場合、これでいいんだろうか――トラブルを聞いた母さんは、即座に有休を取り、日本に戻ってきた。
「何も戻って来なくても」
「息子の一大事に引っ込んでられますか。ちょうど有休も溜まっていたし。それに、向こうは『姉じゃ話にならん。母親を出せ』の一点張りだって言うし...アナザー:ロミオとシンデレラ 第六十三話【真実が充分ではない時がある】
目白皐月